「それが君の望むことなのかい?」
「本当にそれでいいの?」
「じゃあ、君はどうしたい?どうなりたい?」
これらは、私の口癖である。
断っておくが、私はこの口癖を他人に向けて言うことはない。
あくまでも自分自身に語りかける口癖である。
日々の生活の中で、思い通りにいかないことがある。
例えば人生の目標、今日のスケジュール、仕事の進捗、
創作、人付き合い、やらなければいけないこと等々。
そんな時、思い通りにいかないことに対して、
自分はダメだと落ち込んだり、
自分は悪いのだと無理やり自分のせいにしたり、
あるいは他人への怒りに転換したり、
相手がすべて悪いと責め立てたりと、
怒りや苦しみや悲しみに包まれることがある。
その時にこの口癖を自分に言い聞かせている。
「まぁな、野月君、その気持ちもよくわかるよ。
でも、それが君の望むことかい?」
こんな感じで使う。
すると、もう一人の自分がこう言う。
「いや、辛いままではいたくないから、
この後はこうなったらうれしい」とか、
「まぁ、そんな場面もあるけれど、
自分はこういう景色を見たい」という風に、
自分の望むことが浮かんでくる。
すると心が落ち着き、
「今はこうだけど、自分はこうなるから」と
自分の望むことに意識が向き始める。
私事で恐縮だが、実は去年、
今開催している個展の応募をしていた。
しかし、去年は応募多数で落選し、
個展の開催はできなかった。
正直悔しくもあったし、
自分の願望が叶わないことに
怒りや失望を感じた。
でもその時に、冒頭の言葉が浮かんできたのである。
それから私は、本当に望んでいることに光を当てた。
「大丈夫、来年には掲載できているよ。
そして、たくさんの人が喜んで見てくれるよ。
それまでに創作を楽しんで、作品を増やしていこう」
それから一年の間に、
オードリー・ヘップバーンが完成し、
新垣結衣さんが完成し、
切り貼り絵もいろいろと増えた。
そして大谷翔平選手の絵は、
WBCのおかげでタイムリーな似顔絵になった。
去年、掲示していたら、
これらの作品はなかったことになる。
そして今年になって、こうして個展も無事に開催でき、
たくさんの方々に見ていただいて、
「よかったよ」といううれしい言葉も
いただいている状況になっている。
もしも去年の段階で、
ただただ悔しがって、怒ったり落ち込んでいたままだったら、
たぶんこうした進展はなかったのだろうと思う。
こういう経験ができたおかげで、
本当に自分の望む景色をイメージすることが、
いかに大切かということを学んだ。
これからも何かあったら、
こうやって問いかけていこうと思う。