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https://www.bbc.com/news/health-51237225
コロナウイルス: なぜ我々は動物からより多くの病気に感染しているか?
教授ティム・ベントン、チャタム・ハウス、新興危険チーム
2020年1月31日
世界は、新しいコロナウイルスと格闘している。そのウイルスは中国から英国を含む少なくとも16ヵ国まで広がった
新しい感染症の流行は「一度限り」とみなされる。
しかし、新しいウイルスは野生生物から生じたと考えられ、動物由来疾病の危険性に光をあてる。これは、気候変動と世界化が人と動物の関係を変えており、今後は一層問題になるものと思われる。
どのようにして動物は人々を病気にすることができるか?
過去50年で、多くの感染症が、動物から人間に進化のジャンプをした後に、速く蔓延した。
1980年代のHIV/エイズ危機は大型類人猿から始まった。2004〜07年鳥インフルエンザの世界的流行は鳥から来た。そして、豚は2009年に我々にブタインフルエンザの世界的流行をもたらした。最近では、重症急性呼吸器症候群(SARS)がコウモリからジャコウネコを介して来たと発見され、またコウモリはエボラを人類にもたらした。
人間は、常に動物から病気に感染した。実際、大部分の新しい感染症は、野生生物から来る。
しかし、増加した都市生活と国際的な移動がこれらの疾病が出てきたとき、
より速く拡散することができることを意味する一方、環境の変化はこの過程の速度を上げている。
どのように疾病は種間を越えることができるか?
ほとんどの動物は、様々な病原体を運ぶ。疾病を起こしうる細菌とウイルスである。
病原体の進化的生残は新しい宿主に感染することにかかっている。そして、他の種へジャンプすることは一つの方法である。
新しい宿主の免疫系は病原体を殺滅しようとする。そして、2つは互いに打ち勝つ新しい方法を見つけようとする永遠の進化ゲームに左右されている。
たとえば、「典型的」感冒流行による死亡率が0.1%未満であることと比較し、2003年のSARSでは感染した人のおよそ10%が死亡した。
環境および気候の変化は動物の生息地を奪い変えている。生活様式、生息域、捕食関係を変化させる。
人間の生活も変わった。現在、世界人口の55%は都市部に生活する。50年前の35%から上昇した。
これらのより大きな都市は新しい生息地を野生生物に提供する。ネズミ、ハツカネズミ、アライグマ、リス、キツネ、鳥類、ジャッカル、サルであり、人間がゴミを捨てる公園や庭のような緑地に住むことができる。
しばしば、野生生物種は豊富な食物供給のため、野生より都市に棲み着いている。そして、都市部を疾病拡大のるつぼにする。
誰が最も危険にさらされているか?
新しい宿主のなかの新しい疾病は、しばしばより危険だ。それが、新興疾病がなぜ懸念されるかの理由である。
一部の集団は、他のものよりこれらの疾病に感染しやすい。
より貧しい都市居住者は掃除と公衆衛生で働きそうだ。そして、疾病の病原体と媒介者に遭遇する可能性が高くなる。
彼らは、低栄養と劣悪な空気または不衛生な状況に暴露されているため、普通より弱い免疫系になっている可能性がある。病気にかかると、彼らは治療を受けることができないこともある。
新しい感染症は大都市で速く蔓延することもできる。人々が密集して住み、同じ空気を吸い、同じところに触れる。
一部の文化(国: 訳者註)では、人々は都会に住む野生動物を食糧にする。都市の中の動物や周囲の地域から収獲され野生動物の肉を食べる。
どのように病気は我々の行動を変えるか?
こんにちまで、約8千人の新しいコロナウイルス感染例が確認され、170人がそれで死んだと考えられる。
国々はこの流行を止めるための措置をとり、まだ表に出ないものの、経済に与える結果は明白だ。
旅行禁止が現在行われている。また禁止がなくとも、ウイルスに感染することを考え、人々は交流することを恐れ、行動を変える。国境を越えるのはより難しくなる。季節労働者は移転することができず、物流はさえぎられる。
これは、この自然の流行に特徴的である。2003年のSARS流行は、6ヵ月で世界経済に約400億ドルの影響を与えた。これは部分的には、治療経費のためであるが、経済活動や人々の動きは低下した。
我々は何をすることができるか?
社会や政府は、世界がいかに変わっているかの兆しであると認識するよりは、むしろそれぞれの新たな感染症を独立した危機と扱う傾向がある。
我々が環境を変えれば変えるほど、我々は生態系をより崩壊させ、疾病出現の機会を容易にしていると思われる。
世界の病原体のわずか10%程度が認識されている。したがって、残りを確認するためにはより多くの資源が必要である。どの動物がその病原体を媒介するのか。
たとえば、ロンドンにネズミはどれだけいるか。それはどんな病気に感染しているか?
多くの都市居住者は都会に住む野生動物に価値をみつける。しかし、我々はそのなかには潜在的に危害をもたらす動物がいるとも認めなければならない。
どの動物が都市に新しく棲み着くか、人々が野生動物を殺して食べるかどうか、または周囲の地域から市場にそれを持ってくるかどうかの経過を追い続けることは意味がある。
衛生向上、廃棄物処理と有害動物対策は、流行が起こり拡大することを止める手助けになる。より広くには、それは、環境管理の方法や人々と野生動物との関係を変えることだ。
世界的流行は我々の未来の一部
このように新しい疾病が出現し拡大していることを認めることは、我々の将来で避けられない部分であり、我々を新たな世界流行と闘う強い立場にする。
1世紀前、スペイン風邪の世界的流行でおよそ5億人が感染し、世界中で5千万人から1億人が死亡した。
科学の進歩と世界的な健康への大きな投資は、今後、そのような疾病がよりよく管理されることを意味する。
しかし、危険は現実であり破滅を秘めている。もし類似したことが再び起こるなら、それは世界を再構築するだろう。
二十世紀半ば、西側の人の中には感染症は征服できると主張する人もいた。
しかし、都市化と不平等が増大し、気候変動が我々の生態系をさらに妨げていることから、我々は新興疾病を増大するリスクと認めなければならない。
この文章について
この分析部分は、外部の組織に働く専門家にBBCニュースが委任した。
教授ティム・ベントンはチャタム・ハウスの新興危険チームの調査部長であり、そこで彼は、エネルギー・環境・資源プログラムを率いている。
チャタム・ハウス(王立国際問題学会)は、自身を『持続的な安全で繁盛する公正な世界を建設することを支援する独立政策研究所』と言っている。
エレナ・ローリー編集
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仮訳終わり
すべてを『自然の厄災』にしようとする、科学者らしい考えです。
どうしても私は、何かの『意図』を感じてしまいます。たとえ、はじまりが「過誤」「過失」であったかもしれませんが、その後の動きをみていると、そのように感じてしまいます。 長く、生き過ぎたからでしょう。
過去にそのようなことを経験していますので、『ああ、また同じことをしている』としか思えません。
それが、意図的でないとしたら、過去を学ばない人々がいるということです。
さて、
私にとって興味深いのは、このベントンの言葉です。
「rats, mice, raccoons, squirrels, foxes, birds, jackals, monkeys」
(ネズミ、ハツカネズミ、アライグマ、リス、キツネ、鳥類、ジャッカル、サル)
これらの動物が都市に住んでいると認識しています。この教授は「rat」と「mouse」を分けて考えています。確かに、単語があるので彼らの世界では、「Rattus属ネズミ=rat」「Mus属ネズミ=mouse」という認識なのでしょう。
どうしても我々は、住家性ネズミとして一括して理解していますし、単語も「ネズミ」で総称します。しかし、彼らの頭の中は「rat」と「mouse」をしっかり区別しているようです。
rat ネズミ(ドブネズミ、クマネズミ)
mouse ネズミ(ハツカネズミ)
vole 野ねずみ(ハタネズミ、ヤチネズミ)(アカネズミ[英語ではmouse])
我が国の分類では、家に居るネズミと野原にいるネズミで区別していますが、英語圏の人々は、形態で分けているようです。
そうか、世界中に分布した『富士額のネズミ』はMus属だったのだな。