イエモン② | プロト・カルチャー

プロト・カルチャー

ROUAGEベストより マクロスからではない

このDVDの公演は『メカラウロコ8』というもので

このメカラウロコというのは


過去の曲をメインにやるという

云わばファンサービスに近い

ライブ公演なのだ



だが、このラストライブでは

メンバーがやりたい曲をやるというスタンスで

アルバム『8』の曲を中心に進んでいく


その映像を観て思うのは

やはり10年以上のキャリアをもっているだけに

各個人がかなり巧いということ



フロントマンである吉井和哉は

悪趣味極まりない金色の服で登場し

それが妙にマッチしてて良く似合う


たぶん、この手の衣装が似合うのは

清春さんくらいなものだ


※余談だがこの二人は過去対談をしている


またこの吉井は一見か一聴か

オクターブ音域は狭く変化の乏しい声ではあるが

ピッチが正確で、かなり巧いのだ



ギターの菊池英昭は

エアロスミスのジョッペリを意識しているスタイルで

ギターを渋くカッコ良く弾き倒す


特に超絶な速弾きをするわけではないが

王道でどっしりとしたヴォーカルを殺さない

堂々とした存在感のあるトーンを奏でる


レスポールを弾く様はかなりカッコよく

日本で3本の指に入るくらいのカッコ良さだ



ベースの廣瀬洋一は

サンダーバード系のベースをメインに

派手派手な衣装で会場を所狭しと煽る煽る


でも、だからといって前へ前へと出るわけでもなく

心地好いベース音で楽曲全体を上手く支えている


ざっくりしたプレイをカテゴライズをするなら

タイプとして人時に近いかもしれない



Drの菊池英二はこれといった派手さは無いモノの

堅実なプレイでライブ自体をうまく〆ている



その中で、前回キャッチ-さが足りないと述べたが

その理由がなんとなくわかってきた


もしかしたら彼らは誰もが口ずさめるような

ポップなナンバーを書けるかもしれないが


彼らはもしかして

自分たちが如何に気持ちよくカッコ良く

弾けるかに追及したのではないか



このDVDを観ていても

これ弾きたいなぁ~やら

このアレンジのキメがドンピシャ合ったら

かなり気持ちイイだろうな~と

思わずにいられない


つまりは…

演奏者にとって心地好い楽曲であり

ある程度、耳が良くなければつまらなく感じる



悪く言えば…

彼らはかなり自分勝手であると言えるのかも


勝手な想像をしてしまえば

たぶんオーディエンス受けのイイ楽曲を作る能力は

十二分にあるのだけれども


あえて、それをやらず

自分たちが好きな音楽、楽しいと思える事を

追及したのではないだろうか


まさにコレってロックですね

というか自分たちが好きな音楽を突き詰めて

その結果、観客に楽しんでもらえる


これが音楽の健全な姿なんですよね


それにライブ映像で見られる

パフォーマンスと観客の笑顔を見れば

如何にみんなで楽しめるかを

考えているかは一目瞭然


イイ意味でバカっぽくって

楽しいライブバンドです


つづく