江戸時代の美少年 浮世絵の中の男を探せ
歌川国貞の掛物絵になります。虫篭を持つ若衆の絵で、夏らしい絵ですが袴の模様がオシャレです。掛物絵には美人画のほかに、このような美男子の絵も多くありますが、どのような人が買い求めていたのでしょう。元々は掛物絵というのは、安価な掛軸用の浮世絵ですから、若い娘がポスター代わりに買ったとも思えないのですが、年増女に人気だったのでしょうか。オークションでも良く若衆の浮世絵を、間違えて美人画として出品している人がいますが、刀を差しているから普通は分かりそうなものだと思います。この国貞の絵などは、顔が男らしいので間違わないでしょうが、たしかに分かりずらい作品は時々見かけます。とくに鈴木春信の作品などは、ちょつと紛らわしいです。これなどは、相合傘ですし黒い着物なので、なんとか男と女とわかります。これは右が少年で、左が女性です。肩を抱かれて誘惑されている、ところでしょうか。もう仲のいい女友達に見えてしまいます。この絵の二人は、どちらがどっちか分かりますか。実は二人とも男です。この二人は陰間(かげま)といい、男色を売った少年達の事をいいます。13~20歳ぐらいの歌舞伎を修行中の少年役者が、多く兼業していたと言います。歌舞伎というと梨園とか呼ばれ格式が高い世界のような感じですが、江戸時代の歌舞伎と売春は切り離せないものだったみたいですね。とくに女形は、男に抱かれるのも修行の一つと考えられていたようで、やはり一般社会とは大きくかけ離れているようです。