前半戦の低迷を受けて今夏は動くというのは分かっていました。質を上げることが重要ですし、あとは90分でいかに戦っていくか。特に前半戦のゲームで多くのガス欠を経験してきました。運動量の均等化も課題ですし、ベンチメンバーの質が課題となっていました。そこをいかに上げていけるかが今夏問われている部分だと思います。

あとは強化のトップが大熊GMになったことで査定のポイントもかなり変わってきそうです。前半の成績を受けて、出すのなら出す、特にセンターラインはシビアな査定に基づき、インアウトが行われそうです。

新加入選手も徐々に決まってきているので、今回も紹介していきます。

 

 

 

まずはキーパーの加入。発表日にハーンの移籍に伴うチーム離脱が発表されていて4人制の維持が必要ななかで、まさかの秋田正キーパーを獲得することになりました。チーム事情からすると単年、もしくは半年後に契約が切れるのでそれもあっての今回の決断になったんじゃないかと思います。

国内で5人体制のチームはそんなに多くありません。3人体制にするとそれこそ今季の甲府みたいに怪我人が出て、大変なことになる可能性があるので、可能な限り4人体制(もしくは3+アカデミー出身選手)をキープしておきたいというのが本音だと思います。3人になったチームは4人からではなく、5人のチームから貸し借りをしたいなか、秋田は4+1という体制となっていましたので、条件を満たしているわけではありませんが、応じたということになります。

サンガの事情としてはA契約枠(今季はまだ余裕があります)の節約を考えてアカデミー出身の声をかけるというのもひとつの手段として考えられました。おそらくは1ヶ月前の段階であれば長崎に貸している若原のバックが有力な選択肢でしたが、彼がスタメンを奪回したこともあり、呼び戻すことが難しくなりました。同じく秋田では山田元気、他にも杉本大地(名古屋)、上田智輝(岐阜)あたりが候補にはなったかと思います。杉本はもともと名古屋が5人体制でスタートしたので、そのままいけば可能性があったかもしれませんが。

穴埋めではなく、競争環境ということを考えると今回の圍の獲得はうなずける部分もあるかなと思います。ビッグセーバーとしてのクソンユンは大きく評価される部分ですが、キックの精度にムラがあること、守備範囲が狭いことあたりが課題となっています。横からのボール対応の質改善など成長が見えているなか、より競争環境を上げるには下部カテゴリではありますが、豊富な経験をもつ圍とともにレベルアップという構想があったかと思います。

あとは大熊人事ですね。彼とともにプレーした選手を集めることに長けているので、それで呼応したのが大きいんじゃないでしょうか。逆に考えると大熊GMは今季の出来からしてセンターラインについては満足してないことがうかがえますね。穴埋め以上に競争環境の変化というのが見えますね。

 

 

 

懸案だったCBはようやく決まった感じですね。現在は宮本と鈴木義宜で固まりつつあるCBですけど、選手層に不安が残りますし、なんといっても麻田が今季絶望の怪我で質を上げるためにも補強は必須だったと思います。選手がいるにはいるんですけど、エリアカバーもある程度しながら強さ、攻撃の起点づくりなど仕事が多様化していくなかで、出てないメンバーに求めるのは酷な状況となっています。ですから前線の得点力アップとともにCBの能力アップも不可欠な今夏の課題となっていました。市場価値としてはかなり高い選手を獲得し、期待しています。

最終ラインとしてはいくつかの報道があり、ようやくこぎつけましたね。いずれも外国籍選手ということでしたが。まず、どのチームも最終ラインは人材難です。ですから日本から即戦力を獲るというのはかなり難しいということで早々に外国籍に対象を絞りながら獲得を目指してきましたが、他チームに決まったという情報が出ることが多く、世界共通で獲得が難しいポジションだというのを突きつけられましたね。妥協ではなく、かなり高めの選手ではありましたが、期限付きという形で資金力と相談しながらうまく落ち着かせられたのではないでしょうか。

スペインでもプレーした経験があるので、能力的には高そうですね。CBだけでなくアンカーとしての起用もされてきたみたいなので、おそらくは守備範囲対策というのもあるんじゃないでしょうか。なんとかCBの枚数は確保できたんじゃないでしょうか。

あと、日曜の夕方発表だったので、おそらくはファン感でのサプライズ発表の予定だったのかもしれません。中止になりましたが、発表だけは予定通りとなりました。

 

 

穴埋めと必須だった補強ポイントで2人獲得できました。現時点で大きく進展している補強の情報はありません。中断明けくらいまでにまとめきれたらいいんですけどね。個人的には攻守で1枚ずつ獲得できたらいいんですけど、この段階で資金を使っているようであればあきらめるしかありません。状況が状況なのでやってくれるしかありません。

前回の続きです。各階層に区切って、現状と今後に向けたポイントをまとめてきました。残留争いと最後、総論として前半戦総括をなぞる形にはなると思いますが、まとめて締めることにします。

 

 

まずは順位表です。残りが4チームなのでやや手厚めにまとめていきます。

 

 

残留争い(17~20位)

前回から順位は変わっていません。16位との差も3ポイントとなっています。17位と18位の差が縮まりましたが。ほぼ争いの構図は変わってないんですけど、全体的に勝ち点は積み上がっています。

最下位に沈んでいる群馬はこのなかでいちばん勝ち点が積み上がっていませんが、それでも前半の低水準から考えると改善の兆しが見えます。大型補強を行い、このままでは終わらないという意気込みが見えますね。いかに点をとっていけるかだと思います。

栃木は5試合で7ポイントですから、ペース的には全然悪くありません。いかに中位チームが伸び悩んでいるかなんですよね。ブーストの発動には失敗しましたが、堅実に積み上げられています。失点がワーストとなっているなか、どう立て直せるかですね。

鹿児島は先週時点で3人の補強に成功し、残留に向けてかなりアクセルを踏んでいますね。J2での実績のある選手もいますから、どれだけ戦いの質を上げられるかですね。

最後に水戸。連敗してませんし、失点数が下位のなかで少なめということもあり、いかにバランスよく、あとうまく量産期が築けるかがポイントになりそうです。若い選手が多いなか、ピッチをまとめる選手が来たら面白いんですけど、今のところ夏の補強も若手中心となっています。しかも素材型。これがどう転ぶかです。

 

 

上位争いを考える

最後に総論ということで各争いにおけるポイントをまとめていきます。まずは上位です。

自動昇格については勝ち点80が最低でも必要で、それより上になる可能性もあります。ですから、清水は取りこぼし、他の2チームは勝ち点3をのとり逃しをいかに防いでいくかが問われます。得失点も重要な要素かもしれません。基本的に上がるチームの失点数は1を切るケースがほとんどです。そのなかで清水は失点がかさんでいるので、それがどう出るかですね。夏場に戦力を揃え、最後うまく突っ走ることができるでしょうか。

POについては例年と変わらないペースになると思います。4試合減っていますが、昨季と同水準の勝ち点を目指せるかですね。勝ち上がりを考えるなら、シーズンの締めくくりが重要ですね。いい終わり方をしたチームが最後POを制する傾向がありますから。

 

 

残留争いについて

少しずつ下のチームのペースが上がっているんですけど、そうしたチームが安定的に勝ち点を量産できるかというと難しい部分があるかなと思います。ですから、基本的に必要な勝ち点はゲーム数×1だと考えていいんじゃないでしょうか。最低でも38。できれば40くらいはほしいですね。

あとは戦力補強をうまくやっていけるかですね。監督交代は行いましたから、チームコンセプトを体現できる選手の追加をしていくことでしょう。ひとりでチームを変えられるような選手が出てきたら大きいんですが。

 

 

夏の補強について

まず、現状のインを推察していくと上から下(出番を求めての加入)、あとは同一カテゴリというのが多い印象ですね。個人昇格(J3→J2)は執筆段階だと指折り数えるくらいじゃないでしょうか。これは逆も一緒で、個人昇格(J2→J1)というケースも少なくなっています。というか執筆段階で個人昇格の情報はなし。これからJ1が中断するなかで本格化すると思いますが、今季はそれほど発生しない可能性があります。というのも即戦力を求めるにあたってポジションにもよりますが、個人昇格が有効じゃないケースも増えてきました。あと、チームによっては癖のあるサッカーをしていて、このサッカーなら活きるという選手が移籍をして失敗するというケースがみられるのもあります(主に熊本や藤枝出身選手)。ですから、J2同士の引き抜きというのを警戒すべき対象としていかねばならないのではないでしょうか。今季はこのケースが多くなっています。J2のなかでも資金力に差がありますからね。いわきみたいに育成が主目的と明言しているチームもありますし、実際、いわきが今夏抜かれまくっています。逆に獲得もしているので、プラマイの収支をうまくつけられるといいですね。

 

 

最後に

予想を書くと批判もあるでしょうけど。当たらないと思うので目安として書いておきます。

自動昇格については清水が昨季やらかしているのを見ると失速の可能性も否めません。清水が自動昇格する条件は他の2チームを圧倒することに尽きるんじゃないでしょうか。競ったら他の2チームじゃないでしょうか。

POの鍵はビギナーとなる山口と仙台になると考えています。仙台はJ1経験はあるんですけど。山口は限られた資金のため、引き抜きに遭っていて、しかも仙台から戦力を抜かれました。抜かれても質を維持しながら戦えるかが鍵。できなければ千葉にまくられることになるでしょう。同じく仙台はインがあるものの、危うさもあって、得失点差が0となっています。得点力が限られるのはタレントの問題もあるので仕方ないんですけど、失点を減らしていかねばPOで残るのは難しいんじゃないでしょうか。

両方倒れるとしたら下のチームにもチャンスがありそうですが、どこも得失点差で優位性を築けてないのが気になりますね。PO出場の多い山形あたりにもチャンスはありそうです。

最後に残留争いですが、新戦力がはまれば鹿児島が抜け出しそうかなと思います。あと、栃木も監督の経験量でいうと群を抜いているのでアドバンテージにできるかですね。水戸は戦い方を修正した方がいいと思うんですが。さすがに群馬は厳しいかな。

 

 

いつも4回くらいやってるのを3回にまとめました。

今後のJ2関連の更新は個別(主に監督交代)と全体ではプレビューを予定しています。

前回は19節終了時点からの変化について考察してきました。今回からは個別という形ではありませんが、各階層の現状、そして終盤に向けて何が必要かをまとめていきます。

 

 

前回同様、24節終了時点の順位を貼っておきます。上から順に考察していくことにします。

 

 

自動昇格争い(1~3位)

前回まとめた段階で勝ち点差はあるものの、3強形成になると書いてた横浜FCが一気に詰めてきて、3強構造となっています。最終的には3チームのうちひとつが自動昇格できないということになります。

自動昇格を考えると勝ち点を落とさない、拾うことが重要となってきます。チームによっては負け数が少なくてよかった、逆に勝ちが多くてよかったというケースもあるので、それはシーズン終了後に分かることです。負けないチームとしては長崎、勝ててるチームとしては清水が現状トップ2となっているわけです。その間に横浜FCがいます。確実にいえることは得点力よりも失点の少なさが重要になっていて、1失点以内にまとめていることが求められます。その点が清水の不安材料です。あと、前半戦折り返し付近であったアウェイで勝てない病を含めた何らかの負けが続くようだと苦しくなります。清水は力はあるけど、不安材料も存在しているわけです。長崎や横浜FCにも不安がないわけではありません。前節のようにリードを許す展開が増えると苦しくなります。1点なら盛り返して逆転ということもできますけど、2点差だと勢いに任せないと逆転できなくなります。勝ち点をより積み上げることができるかですね。

 

 

昇格プレーオフの確保へ(4~7位)

PO圏が手に届くチームはなんとかそれをキープしていきたいところ。おそらくですが、トップ3はよほど崩れない限りこの層に落ちてくることはないでしょうから。すでに3勝以上の差がついているので、現実的にはPOの確保と、短期決戦での優位性を築くための終盤の準備が重要となってくるんじゃないでしょうか。昨季POを経験して、今季もここにいるのは千葉だけ。千葉も終盤の追い上げでようやく入ることができましたが、ピークの持っていき方を間違えましたね。POではまたしても勝ち上がれずシーズンを終えてしまいました。今季については順位の優位性とピークの持っていき方ですね。終盤まで決まらないと思いますが、最後はいい状態でリーグ戦を締めくくりたいところ。

その他の3チームを見ると、PO経験があるのは4位の岡山だけ。今季の岡山も手厚い戦力を抱え、勝負をかけたシーズンとなっていますが、同じような重量戦力となっているトップ3とは差がつきました。ここにきて盛り返してきましたが、現実的にはPOの確保がノルマ。そのあと勝ち上がるために何が必要かを考えていく必要があると思います。極端に調子を落とさないことですね。怪我人も結構いて大変みたいですし。

J1経験のある仙台ですが、入替戦の経験があるもののPOは未経験。最近は失速気味なのが気になりますが、どこが強化ポイントかを見極め、失速しないことが重要です。そして山口。万年下位だったチームが新監督のもと、急成長を遂げています。資金的には引き抜きもあるとは思いますが、うまく戦力を揃え、最後POまでいきたいですね。POまでいけば味方は多いでしょうから。

 

 

トップハーフノルマに逆転でPO圏を(8~16位)

7位から8位の間に勝ち点差4がついていて、現実的にPOを目指すのはかなり厳しいチームとなっています。ここから勝ち点8差で9チームが並んで衣類状況です。

ここにいて目立つのは昨季PO進出、もしくは惜しくも涙を呑んだ山形、大分、甲府あたりが下位に沈んでいること。特に甲府は監督交代、その前に連敗や怪我人の続発もあって厳しい状況が続いています。ACL後半戦参加チームはどこもこんな感じになっています。いかにACLが難しいかが分かりますね。山形としては昨季はPO、その継続から今季は一気に上を目指してきたと思うんですが、ここまで思うように勝てていません。スタートダッシュにつまづくのは恒例としてへたに開幕あたりは勝ってスタートし、その後は低空飛行が続いています。監督を替える以上に何かを変えないと繰り返しになるのかもしれません。大分は新監督で意気揚々とスタートしたシーズンでしたが、戦力の不安要素がやはり出たという感じでしょうか。片野坂監督だから勝てるなんて保障はないわけですよ。

そんななか、昇格したての3チームもこの順位につけています。残留争いはさすがに考えなくていいかなというレベルでしょうか。愛媛は大負けがあって、得失点差エラーが目立ちますが、大物食いする力もあり、面白い存在です。安定すればPO狙えそうかなといった感じでしょうか。藤枝は序盤最悪のスタートでしたが、ここまで中位をキープしています。ブレない、とはいえ現実を見ながらもしっかりとした戦いができるチームですね。そしていわき。少しずつPO圏から離れていますが、残留争いをしていた昨季とは一変、今季は安定した戦いができています。ただし、いわきはすでに数名個人昇格、もしくは同一カテゴリに選手を獲られていて不安が残ります。J3から引き抜くなど、選手を揃えてはいますが。いわきだけでなく、3チームとも結構いい若手の選手がいて、引き抜かれる可能性があります。再開後、気づけば別のチームになっているなんて可能性もあります。ただし、近年の個人昇格の実績を見ると必ずしもうまくいってるわけではないので、J1チームも二の足を踏む可能性もあります。

あと、徳島は完全に盛り返してきましたね。追加補強も行って、POを狙う本気度がこのエリアだといちばん強いチームだと思います。熊本は安定しませんね。いいときはすごくいいんですけど。フィニッシュで違いを見せる選手が出てきたらさすがに降格圏はないと思います。安定の秋田は引き抜きに怯えつつ、定位置からの脱出を狙います。

 

 

最後、雑になりましたが、残留争い以外のチームについてある程度言及することができました。

次回、残留圏、そして総論に移っていくことになります。基本的に前半戦総括をなぞることになるので、もう少し内容を工夫できたら問考えています。

本来であれば本日開催のファン感謝デーに参戦し、その速報を書く予定でしたが、体調不良者が続出したことで中止となりました。スケジュールが立て込むなか、チームとしててんやわんやしている状況なので仕方ないですね。どのタイミングになるかは分かりませんけど、代替開催があることを期待しています。公開TMを昨季まではクルー向けイベントとしていましたが、今季は違いましたから。Aマッチデーによる中断が入るタイミングあたりを期待しときましょう。

さて、予定が消えたことで、レビューをまとめることとなりました。明日更新予定でしたが。基本的に夏場なので内容を問うべきではありません。とにかく勝ち点、結果にフォーカスしていくしかないですね。そのなかでどのような成果があったのか、次に向けてどうしていったらいいのかを考えていくことにします。

 

 

まず、結果としては逆転勝利となりました。最近の磐田戦は終盤までロースコアで推移するか、前半途中までサンガが殴りながらも相手が盛り返し、前半の途中からワンサイドゲームを仕掛けられる(主にサンガスタジアム)というパターンがほとんどになっています。ですから、前半を見るだけで結果が分かってしまうわけです。どちらかというと後者パターンの試合になったかと思います。いい出足でボールを奪うシーンが前半から多くあったんですけど、得点に結びつけられ、先制を許すという大敗パターンでした。

HTで選手交代を行いましたが、全体的な流れとして奏功したかは分かりません。ただ、前半の戦いではサンガのガス欠待ちという戦いをしていた磐田でしたが、磐田の方が先にガス欠し、選手交代を余儀なくされるシーンもありました。こちらとしては3枚交代など動きながら、質を落とさずプレーができました。相手の追加点の芽を摘み、こちらとしては攻めきって決めるだけという展開でしたが、どうもリズムが乗りきらない時間が多かったと思います。ゲームも終盤に入るなか、ロングボールからOGを誘発し、直後にエリアスの逆転ゴールでひっくり返すと、なんとか守りきって勝利となりました。

 

 

夏場で最後までやりきったからこそ得られた勝利でした。とはいえ、質としては前節の方がよかったかなと思います。もちろん、相手がガス欠したのは共通項ではありましたが、こちらのパワーができらなかったと感じました。強引に破いてからは勢いで突っ切った感じですかね。どうやってこじ開けていくか。今後問われる部分だと思います。

後半のリズムに乗りきれなかった要因としてはいらないファールが多かったことですね。チームとして不要なファールを減らしていかないとリズムができませんから。必要なファールもありますけど、都度セットプレーで相手がリスタートするだけでゲームが止まりますから。相手が勝っているのであれば相手の思うツボにしかならんというわけです。

エリアスはファール基準とかゲーム全体を読みながらのプレーには課題を残しましたね。スコアラーとしては素晴らしかったです。ただ、ゲーム展開を考えて何をすべき、逆に何をしてはいけないかをもう少し的確に読めないと出場時間を延ばすのは難しいかなと思いました。

守備についてはサイドからサイドに振られたときの対応ですね。失点シーンもピンチになったシーンもほとんどがこのパターンで前半からなかなか変わっていません。基本的にこのチームがコンパクトフィールドを形成し、攻守を行っていくこともあって、簡単には改善できない問題ではあるんですけど。ある種ここもフィロソフィーなんでしょうか。

 

 

順位としては執筆時点(アップするタイミングは日曜日の試合中です)で17位と降格圏を脱出しました。とはいえ、上位陣が昨日の試合で軒並み勝ったことでそこまで優位に立てていません。ようやく勝ち点が試合数を上回ることができました。少しずつ上を向けるようになっています。しかし、前節引き分けた浦和が軒並み下位に勝ち点を配っていることを考えると我々が勝ち点を落とした試合もあるわけですよ。今後とも何が課題かを突き詰めて、中断以降も勝ち点ペースを落とさずいきたいところ。

横浜Fマリノスはハリーキューウェル監督との契約解除を発表しました。暫定としてハッチンソンアシスタントコーチが次節の指揮を執ります。

マリノスとしては前節勝利したことで連敗を止め、順位を浮上させましたがトータルで見ると低迷が続いていて、あわや残留争いという順位となっています。今後残留争いを回避していくことを考えると監督交代も選択肢のひとつなのかもしれません。なお、J1では今季初めての監督交代となっています。

 

 

まず、ほぼ新人監督にとって今季のチームづくりはかなり酷なものだったかと思います。スタートが早めのACLで決勝までいったことで中2~3日での連戦が続きました。当然ですがこうなると練度を上げる連勝とか、強度を上げながらチーム力を上げるなんて不可能なわけで、毎試合に向けて調整をするのが精いっぱいというスケジュールだったと思います。しかも昨季後半から続く怪我人も戻ってはいるものの、相変わらず出入りの激しいメンバーとなっています。完成されたチームに味付けなしに戦ってくれというのなら、この条件でOKだったんでしょうけど、そうもいかなかったということになります。

もちろん、キューウェルの振る舞いも問題視されていて、試合後のインタビューにおけるレフェリー批判とか、やたらと他に目を向けようとしたコメントというのは目立ってましたね。毎度のごとく祝福していたあの方を思い出しますよ。チーム内の課題に目を向けきれなかったというのが成績不振もありますけど、監督交代の大きな要因になっているかなと思います。改善しようにも過密スケジュールによって容易ではないんですけどね。

 

 

後任としては未定です。もともとハッチンソンコーチ昇格という報道もあったなかで暫定指揮という発表になっています。おそらくはシティグループとの連携のもと、最善の監督は誰になるのかという結論を出してから決めることになるので、正式監督はその段階で決まることになるでしょう。もちろん、さっさと決めたいから暫定監督をそのまま監督に据えるという可能性も否定できません。

理想を言うならばシティグループからの推薦で監督を連れてきてほしいというのはありますね。国内に人材が枯渇するなか、ある程度資金やコネクションのあるクラブじゃないとたらい回しでない人事は不可能だからです。とはいえ、監督自身がJへのアジャストをしていかねばなりませんし、また秋からマリノスの場合ACLが待ち受けています。詳しいスケジュールは分かりませんが、2ヶ月もすれば次の戦いが始まり、過密日程となってきます。こうなるとチーム戦術の落とし込みとか細かい修正なんてやってる暇はありません。次の監督にも酷な条件を押しつけながら、今季を戦い抜くことが求められます。おそらくはACL圏を目指すよりも降格しなければOKみたいな戦いになっていくんじゃないでしょうか。

こうした酷な条件を押しつけられるなか、どれだけの人間がこのタスクを受託してくれるのかという大きな問題がありますね。ですから無難に今年中はコーチにやってもらって、次のシーズンからまたスタートするということになるかもしれません。中断期間の推移を見守っていくしかないですね。

 

 

マリノスとしては戦いの質を上げていくためにも、まずは怪我人の回復と選手のコンディショニングをいかに上げていくかが問われます。昨季後半から続くスクランブル状態が回復しているかというとそういうわけでもありません。補強を含めて戦える選手を2チーム以上抱えられるかですね。あとは強度とプレスの改善でしょうか。前線の守備の部分が機能してないというのが大きな課題となっています。押し込まれたら失点リスクは上がりますね。攻撃を続けるというのがアタッキングフットボールの基本となってきますから、即時奪回できるんだったらしたいわけです。そのために前線でしっかり守備ができるかも大きな要素です。外国籍選手の強みもありますけど、守備意識のところでよくないのなら、解体するのも必要かなと思います。あとは理想を求めすぎないことでしょう。現実的な戦いもしっかりして勝ち点を積み上げられるかも大きな要素になってくると思います。

 

 

降格圏にいるチームが資金力の影響で交代に踏み切りにくいなかでその上にいるチームから監督交代が出ましたね。複雑な監督選定方式のチームですけど、よく踏み切れたのか、早計だったのかはこの段階では分かりません。正式監督を含め今後の推移をもう少し見守っていく必要があると思います。

次の週末をもってJ1がお休みとなります。オリンピック関連の更新がそこまでできそうにないので、この間振り返りと展望をまとめていく形になります。ちなみにですが、J3は7月いっぱいまで試合があり、その後8月に中断期間があります。そう、J2は早くも中断期間に入りました。再開は8月3日となります。

レビュー関連のネタが枯渇したと思ってましたが、J2の振り返りを先に始めることでネタを埋めることにしました。てなわけで終盤戦に向けたJ2のまとめをしていきます。残り10試合くらいになったら昇格と残留争いについてはプレビューをしていく予定です。ただし、このあと中断期間が特段ありませんから、J2についてくまなくできるかは不明です。

J2については24試合が消化しました。38試合というのは絶妙に割り切れないんですよね。3分の1という区分であれば39が3で割れるので、26試合あたりで振り返り、終盤に向けてのまとめをするのがベターなんですが、ちょっと早めとなります。今季から20チーム制、しかも6チームが最低でも昇格、3チームが降格にかかわるということで半数弱が何らかの争いに入るわけですから、その周辺で争うことを考えるとほとんどのチームがいずれかの争いに加わることになります。J2だから悠長なこともできない余裕のない激しいリーグでの戦いとなります。今回は順位表、あとは前回振り返り時点からの比較をやっていくことにします。

 

 

24節終了時点での順位です。

 

 

こちらが前回(19節※前半戦終了)振り返ったときの順位表です。ちょうどここから5試合が過ぎ去ったということになります。

まず、上から見ていきます。3強になると前回の時点で書いたと記憶しています。勝ち点6差あった1位と3位の差ですが、今回2まで縮まりました。勢いからすると当然の結果ですね。4位との差が4→9になったことからも分かる通り、自動昇格は完全にこの3チームに絞られました。おそらくですが、昇格ラインは試合数×2(76ポイント)よりも上回る可能性が高そうです。なんなら昨季まで(42試合制)における自動昇格水準を上回るペースになるかもしれません。あくまでも予想ですが、85ポイントあたりが安心できそうなラインでしょうか。そうなると清水でも14戦11勝というハイペースで勝ち進めなければなりません。というより、横浜FCは大型の連勝してきましたし、長崎は負けないのでこれくらい高めを見積もってもいいんじゃないでしょうか。

続いてPOについてです。4位との勝ち点差10というラインで見ていくと13位までだったのが11位までと少しずつ絞られてきたんじゃないでしょうか。4位以下のチームを見るとほとんどが量産ペースといえるレベルで勝ち点を積み上げられていません。5試合の戦績でいうと岡山と徳島が10ポイント、愛媛が9ポイントの量産したといえるんじゃないでしょうか。7ポイント(2勝1分け)ペースでもマシですけど、3敗しているチームも結構多くなっていて、PO争いは少しずつ上との差が出つつあるんじゃないかと考えられます。大分や甲府といったPO争いできるだけの資金力や近年の成績をもつチームの不振が大きいですね。甲府は監督交代もありました。

最後に残留争いです。基本的にボトム4構造は変わっていません。群馬を除いて3チームがこの5試合、5ポイント以上の勝ち点を稼いでいます。ただ、最上位の水戸と次の順位との差は変わっていません。甲府のギアが上がらず、もしかすると4弱構造の変化があるかもしれません。

 

 

今回は19→24節の5試合の変化に着目してきました。構造的な変化としては自動昇格(3チーム)の争いはほぼ変化なしとなっています。PO争いについてはやや絞られてきた感じはありますが、PO近辺にいるチームも振るわないなか、大きな変化はありません。最後に残留争いについては各々最悪期を脱しましたが、危機感のあるチームも相応に勝ち点を積み上げた結果、4弱構造を大きく変化させるには至りませんでした。

次回から各層ごとに分けて、振り返りというよりかは展望をまとめていけたらと考えています。

さてパリオリンピックも迫ってきました。そんな雰囲気も漂わぬまま始まりそうですが、結局のところそれなりに盛り上がるんじゃないかと思っています。ただし、今回のオリンピックの会場がパリを中心としたエリアということで時差を考えると結構きついんじゃないでしょうか。暑さ的にはどうなんでしょう。暑さが尋常じゃなくなっているなか、選手とか置いてけぼりの状況になっているんじゃないかと思っています。

これまでオリンピック関連のまとめとしては各代表のメンバーを紹介してきました。その前にメンバー予想を行うなどそれなりに分析をして、その結果をまとめるという形に終わり、今大会についてのプレビューは書けていなかったので、改めてまとめておきます。とはいえ、大会については時間の都合上、チェックできるかは分かりません。ユーロもコパも朝に結果チェックしていた人間なので。

 

 

まずはU-23代表からです。

 

 

前回まとめたメンバーについては上記リンクを参照してください。

言い訳するようですがOAを呼べなかったこと。これによりかなりのダメージがあるんじゃないかと思っています。というのもこの世代を見るに、最終ラインの弱さが課題で、チームで主力という選手は少ないですし、怪我とか代表関係で離脱が多く、定着できない選手も多くいます。後ろのポジションはある程度の経験が必要になってきます。必要な声掛けとか読みといった部分は年齢とともに成長する部分です。そこで誰が仕事をするのかというのが課題となってくるんじゃないでしょうか。所属先でリーダー格の選手がいるので、うまくまとめ上げることができるかが鍵となってきます。この他、この世代対象であっても移籍やプレシーズンの関係もあって呼べなかった選手もいます。特に移籍についてはユーロが開催された影響で、市場の動きが予想以上に遅くなっているようです。オリンピック競技におけるサッカーの存在意義と各チームの本気度というのは考えなければならないポイントになってきていますね。

さて、言い訳材料を並べたことになりますが、このチームに求められるのは結果ですね。2008年、北京大会もOAを使いませんでした。残念ながらこの大会はGL敗退となりました。のちにフル代表で主力を張る選手がいただけに、チームとして力がなかったわけではなく、まとめきれなかったのも敗退の一因となったと考えられても仕方ありません。まずはGLを突破すること。最初の試合でどれだけ手ごたえを掴めるかだと思います。結果次第ではメンバーの組み方をミスったとされるわけですから。とにかくいい準備ができるかです。

なお、明後日にフランスとのテストマッチがあり、それがオリンピック前最後の試合となります。

 

 

続いてなでしこジャパンです。

 

 

早めにメンバーが決まり、土曜日には壮行試合が行われました。向こうでのテストマッチはないようですね。

昨季W杯でベスト8に入り、期待感は持たせましたが、悔しさの残る大会から1年ほど。リベンジの機会となります。しかも初戦はそのW杯を制したスペインとの対戦です。ちなみにスペインとは1年前にも対戦していて勝っています。向こうは完全優勝を狙うでしょうから、必死になると思います。GL突破についてはそこまで難しくないと考えています。3位でも突破の可能性があるので。課題としてはGL突破後どこと対戦するかですね。最初の試合で勝てばあとはメダルまでひとつでOKとなります。当然ですが、どの相手がきても強いです。ドイツ、アメリカあたりはさすがに力があるでしょうし、各チーム力をつけているので侮れませんよ。2位突破になると結構きついので、1位突破が厳命でしょう。どうせ、準決勝になれば強豪とやるんですけど。

 

 

まず、男女ともGLを突破しましょう。そこからの対戦は運もあるでしょうし、味方すればベスト4くらいには行けるでしょうし、そうじゃなければGL初戦敗退という結果になるかもしれません。ベスト4までいけば実力勝負ですよ。そのなかでどこかでやらかしたら終わりなわけです。PK戦があったときは今や実力勝負になっているので運と片づけずにこちらも準備しましょう。

夏の移籍市場がスタートしました。その前から決まっていた選手の登録がありました。このあとのスケジュールとしては8月21日までが期限となります。無所属や育成型を含めると9月6日となります。原則的に水曜までに届け出を行わないといけません。無所属選手に限り、金曜の締め切りとなっていますが。

各チーム様々な強化ポイントがあるわけですが、特に多いニーズとしてはディフェンダー、センターバックとサイドバックじゃないでしょうか。ただ、どのチームも欲していることからも分かる通り、基本的に不足しているポジションです。なぜなのかというのも単純ではありますけど、考えていくことにします。

 

 

まず、夏の移籍については主にふたつの目的があると考えられます。まずは即戦力の獲得。特にチームの成績が振るわない場合に積極的に行われます。もうひとつが投資目的です。即戦力ではないけど、獲れるうちに獲っておいて半年間慣らすという考えですね。例えば契約が切れる半年前の選手であれば、若干の金を積んで競争を避けようとする可能性があります。これは資金レベル上位のチームがやるケースが多いですね。

加入選手にとって難しいのがフィットすることじゃないでしょうか。まずはJリーグ(各カテゴリ)へのフィットが求められます。どれだけ実績がある選手であっても、Jリーグのスピード感とか強度とか、知っていても身体を動かしてみないと分からない部分です。外国籍選手にとってはここからスタートするので難しくなります。クラブによっては他クラブで活躍した選手を引き抜くのはこの過程を省きたい(より早くフィットさせたい)という思惑があると思います。もうひとつがチームスタイルへのフィットです。これは日本人の移籍であっても起こり得る問題です。同じ保持路線といっても若干の違いがあります。分かりやすく言うと昨年までの徳島ですね。同じスペイン人監督が指揮していましたが、各々違うのでスタートダッシュがうまくいかないというのを見かけました。戦力の入れ替えも多いですからね。

リーグとチーム、このフィットに時間をより要することが最近の外国籍選手のたらい回しを多く発生させている要因かもしれません。あとは政策や外交といった部分にもなりますし、税金の部分とかの話になりますけど、資金的に外国籍選手を獲りにくくなっているのもあるかもしれません(協議は違いますけど、NPBがそんな傾向が強くなっているかもしれません)。

 

 

全体論の話を進めてきましたが、後ろにフォーカスしていくことにします。前の選手と比べるとチームスタイルへのフィットがより求められるポジションです。極論、ストライカーに点をとってもらったらあとはどうでもいいというチームもあります。ボックスストライカーを活かせるチームですね。実際のところそんなチームは少ないんですけど。攻撃についてはタスクを限定させて一発に賭けるという起用法ができるのに対し、後ろの選手はそういうわけにいかないという問題があります。ディフェンスラインが揃わないなんてことがあれば相手の餌食になりますからね。ですから、外国籍選手を即フィットさせることが難しくなっている以上、国内から人材を回さざるを得ません。

もうひとつはサッカーの変化にあります。ディフェンスは跳ね返したらいい、1対1に勝てたらいい。そんな時代ではなくなっています。ゲームの組み立てが後ろになっているなかで、ゲームを組み立てる能力が必要です。頭と技術も求められます。一方で全体的な運動量を多くしないためにコンパクトにしなくてはなりません。ハイラインをボールを保持しようとするまいと志向するチームが増えたことで、ディフェンスの選手は背後をケアする能力も求められるようになってきました。ここで守備範囲が求められるようになってきました。足の速い選手はいますけど、後ろにいる選手の場合、初速というよりかはある程度走ってスピードが出る選手が多いです。そもそも鈍足というケースもありますけど。組み立て、走力に加えて、従来のディフェンス能力も求められるわけですから、多岐にわたる仕事ができる選手はそんなに多くないですよ。

特にベテラン選手になってくると走る部分はどうしても落ちやすくなりますし、仕事量の変化についていくのも難しくなってきます。こちらも受難になるというのを数年前に書いたと思います。

結論を書くと後ろに負担がどう転がっても増えているわけです。ですから、それだけスーパーな選手はいないということになるので枯渇するのも当たり前ですね。センターバックを想定してますけど、サイドバックも一緒で仕事が多岐にわたっていますから。

 

 

チームとしていかに妥協点を見いだせるかがポイントになってくると思います。資金的に優れたチームはスーパーな選手を呼ぶ。Jでいうと浦和がその手で強化しているので、できなくはないと思います(ただし、資金力のあるチームに引き抜かれるリスクもあります)。それ以外のチームは本職でなくてもチームとして何を優先するかを考え、この要素は無視してでもチームスタイルに順応できる選手を発掘できるかです。サンガでいうとサイドバックを本職とする選手をセンターに配置するシーズンがありました(というか今季もです)。ハイラインでコンパクトな陣形を築くために走力、あとはビルドアップ能力を重視した結果がこういう布陣に落ち着いたというわけですね。もちろん、脆さもあるというのを2019年の後半は突きつけられました。ですが、本職センターバックに拘ったところで、それ以上の答えが出せないというのも事実なんですよね。

身体能力が重視されるサッカーのなかで後ろの選手が重要視されていることに気づき、そこから強化できるようになることを期待しています。

心躍る新加入選手の発表がある一方で、アウトする選手もいるのが移籍市場というものです。サンガから去る選手として2人紹介していきます。

 

 

 

まずは谷内田の移籍から。出場機会の減少もあり、J1を含めたオファーがあって選んだ先が韓国の2部ということになりました。かつて田村亮介(現奈良)が所属していたこともあり、日本でのプレー歴が長いリヨンジがいるチームです。通訳として彼の存在はかなり大きいようで、いきなりデビュー戦でゴールを決めたようです。

十分とはいえないにせよ特に昨季はかなりチャンスを与えられたとは思いますが、それを活かしきれませんでしたね。チームがもがくなか、最適解をつくった段階でいなかったのは残念でした。守備要素を求めるチームスタイルが悪いという意見もありますけど、チャンスメーカーである平戸が現在レギュラーに定着しつつあるなかで彼はバックアップなどの立ち位置で付け入る余地はあったと思います。悪い言い方するとドロップアウトしてしまったように感じました。彼自身もこのキャリアにして代理人変更2回めのようですし。今回の代理人についてはもはや交渉する余地もなかったということで意図的に出るということにしたのは残念です。期限付きではありますが、片道切符となりそうです。来季の体制がどうであろうと代理人的に交渉することはないと思います。

 

 

 

一報を聞いたときなぜという疑問もありました。サンガが出すというより、セレッソが獲得するにあたってなんですけど。

まず、事情を探っていくとセレッソとしては日本人ではまるFWがいない問題ですね。外国人が前線に並ぶのは豪華という印象もありますけど、日本人がフィットしていない状況を憂うとも捉えることができます。おそらくは日本人FWを入れ替えながら、前線の質をテコ入れしたいと考えているのではないでしょうか。山崎以外にもさすがに獲得するんじゃないでしょうか。山崎自身は今夏、攻撃陣の補強もあって、序列が下がることが見込まれています。怪我している間に一美やマルコトゥーリオがフィニッシュ以外での貢献度を上げていくかな、パワー系FWは求めているものの、出場機会が下がる可能性があります。

サンガには2年半在籍。どちらかというと獲っておけるなら獲っとけというスタンスでした。サイズがあるんですけど、左利きでうまさのある選手でした。足元でボールを受けて、スルーパスを送りつつもターゲットとして機能するタイプの選手だったと思います。高さをメインに使うと屈強なCB相手だと厳しい印象がありました。いちばんよさげなのは3トップの構成を逆三角形、もしくは高めのウイング、下がりめCFという形の真ん中にするパターンですかね。サンガとしては劣勢を跳ね返しCFに収めてもらうというスタイル上、メインターゲットとしてやってもらうことが多かったんですけど、あまりうまくいかなかったですね。

セレッソが複数人獲る予定のひとりであれば悪くない選択肢だと思いますが、彼をメインに据えるとか考えるとよほど適切な活かし方をしないと苦しいかなと考えています。今季についてはチームがとても苦しんでいたこともあり、よかったといえる試合の記憶がないので。もともと、スピード面も優れていた選手なんですけど、名古屋時代に負った怪我の影響でそこで違いをつくれなくなったのは痛手でしたね。サンガでも復活を見せることができませんでした。ですから、ある程度攻撃的にふるまえて、ウイング(もしくは2トップの相方)に得点力のある選手を備えているのであれば、面白い存在なのかなと思ってましたが、まさかの上位チームが引き抜くとは思っていませんでした。

 

 

2人、いずれも攻撃的な選手がアウトとなりました。現時点で公式発表があるのはエリアスと米本の2人。あとCBの獲得にも動いているんですが、もう何枚かは動きたいところですね。大熊的な手法は見える一方で期限付きで加入させたり、移籍金を獲ったりと今のところ堅実なやり方になっているような気がします。ゲームを決めるというところをいかに突き詰めていけるかですね。

埼スタで何もできなかった浦和戦。そして、後半に入り同じカードとなりました。どちらもメンバー的には苦しい状況です。というのも浦和は夏の移籍市場でアタッカーを加入させる一方、後ろを中心にベテラン選手が抜けたからです。サンガとしては元から後ろの選手層が薄い状況です。怪我人も出していることもあり、ギリギリの陣容でしたので、点の取り合いも考えられたなかで、互いにスコアレスだったのは悪くないのかもしれません。中身としてはサンガが決められなかっただけに近い(浦和にも決定機はありましたが後半に限れば浦和のシュートは1本※どこかで数日前見たような)試合でした。いかにチャンスをつくり、決めていくか。そうした部分を議論できる試合だったかなと思います。

 

 

サンガとしては前節負傷の福田に加え、宮本が契約の関係上出場できないため、右サイドバックとして想定できる選手のうち2人が不在。左メインで考えられるどちらかが起用されるということで今回は鈴木冬一を選択。あと、CBのところには湘南戦前にアクシデントがあったというアピアタウィアが入りました。この試合をもってチームから離脱する川崎がスタメン。浦和では大畑が左サイドバックに入りました。あと、ベンチメンバーとして新加入の米本とエリアスがいきなり帯同することとなりました。

試合としては浦和がボールをもってサンガが凌ぐという展開。そこまで決定機は多くなかったんですけど、浦和にとってチャンスになっていたのは西川のロングフィードからというパターンですかね。単純に前線VSサンガのディフェンスラインとなると少々きつかったです。ただ、持っても攻めあぐねるシーンが多く、こちらとしてもチャンスはほとんどつくれませんでしたが、ある程度狙い通りの前半だったかなと思います。ある程度というのは前半の終盤で仕留められるチャンスがあったにもかかわらず、仕留めきれなかったというのが大きかったですね。マルコトゥーリオが右サイドからファーにクロスを上げるとフリーの原がシュートを放ち、キーパーを外すものの、ライン上でブロック。

後半も立ち上がりこそ浦和に主導権を握られましたが、浦和が60分ごろを境にガス欠すると、こちらのペースに。サンガとしても足をつる選手が続出しましたが、うまく運動量を維持しつつバランスを崩さない戦いができたと思います。浦和はサンタナを下げてトーンダウンする一方でサンガは新加入のエリアスを投入し、こちらのモードにすることができました。終盤、前ではめてエリアスがシュートを放つものの、これも相手ディフェンスのブロックに遭い、結果的に得点できませんでした。

 

 

こちらとしてはほぼピンチがなかっただけに、決めきりたかった試合でしたね。夏にきてガス欠する回数が減りました。運動量のコントロールというよりか後ろのバランスが整ったので、無駄走りが減っていること、相手も夏場なので落ちる時間が早くなったこともあると思います。この試合についてはへばった選手をきちんと交代できてましたし、何より新加入の2人がベンチに入ったことで選手層が上がったように感じました。交代策としてはほぼ運動量の維持でしたが、それだけで終盤戦、十分に脅威を与えることができたんじゃないでしょうか。バランス改善とベンチメンバーで強度を落とさないことができれば普通に戦えるわけです。

じゃあここからいかに勝ち点をもぎ取っていくか。リードしたときのクロージング、点がほしいときのオプションといったところですね。前者は今のところ米本、後者はエリアスが現時点で担うことになりそうです。エリアスはボックス以外でもタスクをこなせそうな感じで、ファーストディフェンスかサイドでの上下動、あとは起点づくりあたりができてくるのであればジョーカーではなく、スタートからの起用もできそうですね。決定機もつくりましたし、セットプレーも獲得しました。もう一人くらいジョーカーがいても面白そうです。米本はイージーミスはありましたが、うまく落ち着かせることができたと思います。前に出るためのバランスをうまくとれる選手ですね。後ろも最終ラインは量が不足しているので追加を待ちましょう。

 

 

ドロー、順位を落とした一方で内容的にはポジティブ要素の強い試合だったかなと思います。ただ、これからはこういう試合をいかに勝ちに結びつけていくかが問われます。コツコツ勝ち点を積み上げていくうちに、少しずつ上との差も詰まってきました。

次の試合が終われば中断期間を迎えます。昨季はすごくいい雰囲気でここを迎えて、最高のファン感でしたね。ただ、越えなければいけない相手は磐田です。なかなか勝ててない、伝統的に相性の悪い相手に対し勝てば順位がひっくり返ることになります。いい時間でしっかり仕留められるかじゃないでしょうか。