天皇に位を与えた両面宿儺(りょうめんすくな)の謎 | 氣の達人が教える 「悟りゲート」を開く秘密鍵

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急性心不全から奇跡の復活を遂げた筆者が発見した「無条件幸福」の鍵を握る「悟りゲート」とは!?
連載記事となっておりますので、2024年3月3日の記事から順番にお読みください。皆さんのイノチと人生を輝かせる宝物のようなヒントが、いっぱい見つかりますように…(笑)。

「日本書記」には、次のように両面宿儺のことが書かれています。

 

仁徳天皇の御世の頃(400年頃)のことです。飛騨に現れた宿儺は、1つの体に2つの顔があり、4つの手と4つの足がありました。宿儺は、4つの手で弓矢を射ることができ、住民から略奪することを楽しみとしていました。そこで仁徳天皇は、難波根子武振熊(なにわのねこたけふるくま)を派遣して宿儺を討伐しました。

(引用はここまで)

 

 

 

なんと、両面宿儺は天皇に反抗した大悪党!

 

ところが、飛騨地方に残る伝承の中の両面宿儺は、それとは真逆のヒーローだったのです。

 

飛騨の善久寺には、両面宿儺出現の様子を伝える「両面宿儺出現記」が残されています。以下、引用します。

 

仁徳天皇の時代、日面(ひおも)村の出羽が平の山上が大鳴動し、岩壁が崩れて岩窟が生じた。その岩窟の中から、二面四手四脚、身の丈6メートルの両面宿儺が甲冑を帯び、手に鉞(まさかり)を持って忽然と出現した。山の畑で仕事中だった村人たちはこれを見て大いに恐怖し、逃げ散ろうとした。すると宿儺は大声で告げた。「恐れることはない。我は今、仏法守護、王法一大事のときであるので、この世に出現したのだ。現世に奉仕する者なのだ」村人が逃げ惑うなか、1人の男が踏み止まり、宿儺に平伏再拝して、こう述べた。「尊者の命に服したいのですが、お体が大きいので狭い我が家に招くことができません。」すると宿儺は印を結び忽然と小身となり十一面観音に変化した。男はこれを大切に抱いて日面村に帰り、接待したのち、庵を建てて宿儺に仕えた。

(引用はここまで)

なんと、両面宿儺はヒーローどころか完全に神さま扱い!笑

 

これはいったいどういうわけでしょうか…?

 

飛騨の伝承によると、「位山」と呼ばれた山は三つあると言います。

 

長野県と岐阜県の県境にある「乗鞍岳」、千光寺のある「袈裟山」、そして現在の「位山」。

 

なぜ位山と呼ばれるようになったかというと、神武天皇が位山に登山した時、身一つにして面二つ、手足四本の姿をした怪異な神(両面宿儺)が天から降臨し、天皇の位を授けたので、この山を位山と呼ぶようになったと…(今でも天皇陛下が即位されるときと、伊勢の神宮の式年遷宮のときには、位山のイチイの木から作られた笏が献上されているそうです)。

 

なるほど、この伝承を読んでピンと来ました!

 

「日本書記」は、天皇家の権威を諸外国に示す歴史書でもあります。つまり、天皇以上に権威ある両面宿儺の存在は不都合だったのでしょう。そのため、真実を隠す必要があったのかもしれませんね…。その証拠に、飛騨の伝承での両面宿儺は、朝廷から派遣された武振(たけふる)(くま)とは戦わず、位山に案内して、帰順の意としてイチイの木で作った笏を献上したことになっているのです。

 

そして、僕が最も大切な情報だと感じたのは…

 

両面宿儺が位山(乗鞍岳)を信仰の山とし、その山頂直下にある権現ヶ池(朝日が水面に映る場所だったそうです)に住民を集めて、日拝(太陽礼拝)をしていたという伝承です。

 

なるほど、天皇とは、代々、天皇霊が大嘗祭にて受け継がれていくシステムですが、両面宿儺が与えた天皇の位とは、霊的太陽の象徴である太陽神霊(=天皇霊)を宿らせることだったのです(伊勢神宮の内宮に祀られるアマテラスという太陽神は、自然界の太陽の象徴とされていますが、本当は、私たちのイノチの根源としての霊的太陽の象徴でもあるのです。つまり、自然界の太陽とは、この霊的太陽が物質化したものであり、その物質太陽の奥にある霊的太陽のエネルギーを、丹田に取り込む修行法が日拝というわけです)。

 

なんと、天皇というシステムの創始者が、両面宿儺だったとは…。

 

日拝(太陽礼拝)は、飛騨のあちこちでさかんに行われ、後に、その場所は「日抱神社」という名の神社となって、たくさん残っていたそうです。

 

また、飛騨を出て行った人々は、自分の故郷を「日抱(ひだき)」をするところ、すなわち、「日抱(ひだ)」と言い、その後、「飛騨(ひだ)」という地名になったとも…。

 

大昔から長い長い間、日拝が行われ続けた場所は、その情報が記憶された特別な霊的空間となっています(補足参照のこと)。

 

 やはり、私たちのイノチの根源とつながる霊的空間を、両面宿儺は飛弾の地に領域展開していたようなのです…(笑)。

 

~補足~

生物学者のルパート・シェルドレイク(元オックスフォード大学教授)が、1981年に発表した「シェルドレイクの仮説」というものがあります。

分かりやすく言うと、自然界には電気や磁気や重力以外に「形の場」という未知の力の場が存在していて、宇宙にある形や行動パターンが刻印されると、「形の場」の共鳴作用によって同じような形や行動が起こりやすくなるということです。

身近な例で言えば、陸上競技男子100メートル競走において、10秒を切ることは不可能だと考えられていましたが、1987年に、アメリカのカール・ルイスが9秒93(電動計時)を出して以降、男子の記録は全て9秒台です(現在の世界記録は、2009年にジャマイカのウサイン・ボルトが出した9秒58)。

このように、誰か一人が今まで達成不可能と思われていたようなことに成功すると、その後、続々と成功者が現れる理由を、シェルドレイクの仮説は見事に説明してくれます。

 

この仮説を元に、イギリスBBC放送局がある公開実験を行いました。

その実験では、最初は何が描いてあるか解らないけれども、見方を変えると意味のある絵柄にみえるパズル絵が利用されました(そのパズル絵にはヒゲを生やした男の顔が隠されていました)。

最初にパズル絵に隠された絵柄を認識出来た人は3.9%でした。

次に、パズル絵に隠された絵柄をテレビで放送します。その番組を視聴した200万人がパズル絵に隠された絵柄を知った後で、この絵に隠された絵柄をまだ知らない人たちに見せたところ、正解率は6.9%に跳ね上がりました。

統計学上、この3.9%から6.9%の上昇は偶然では説明できない数字であり、公開実験の結果は、シェルドレイクの仮説の正しさを完全に支持するものだったのです。そう考えると、お経を読んだ人に奇跡が起こるのも、そのお経で救われた人たちの霊的空間につながるからとも言えますね。