「ジャズと映画とベースボール」75 五輪と野球 | JAZZ&Coffee kikiのブログ

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五輪という世界の頂点を争う場に野球はふさわしくない、といつもくすぶった思いを持っていた。メジャーの一流選手が出ないし、国別対抗にするには競技が盛んな地域が偏向しているからである。野球は過去、五輪の正式競技に居座った歴史もあった。しかし、結局、国際オリンピック委員会(IOC)が望む、欧州での普及や人気に限界があり、大リーグ機構(MLB)もシーズンが五輪日程と重なることなどからトップ選手の参加には前向きになれないでここまできた。

その野球が2028年のロサンゼルスでまた返り咲きを果たす。醒めている目からみれば、だからどうしたということになるが、今回はちょいと状況が違う。MLBが主力選手の派遣を確約する文書を出し、大リーグ選手会もそれを容認したということが伝えられたからだ。これまでMLBが非協力的だったのは、自らの権益を守るためにある意味当然とも思われる対応でもあった。その垣根が取り払われれば事情は違ってくる。例えば、今春のワールド・ベースボール・クラシックのような、各国のメジャー選手中心のチーム構成がさらに進めば、必然的に頂点を極める戦いとして注目は集まる。

問題はMLBが五輪の期間(7月14日ー同30日)に、レギュラーシーズンの中断を決め、全面的に五輪のバックアップ態勢を取れるかどうかだろう。さらに投打のトップ選手が本当に五輪出場に前向きになれるかどうかもある。決断に際し、どれだけIOCや公式スポンサーの意向に沿い問題を解決できるかは、今の段階ではまだ懐疑的にならざるを得ない。欧州に開催都市が戻れば、また外されるだろう、という嫌味な見方も当然ある。

それでも、どうせなら実現を望む。五輪での、たった一度だけのでもいいから、真のチャンピオンシップを争う戦いを見てみたい気はするが…。(10月20日)