赤目自然農塾でお世話になった川口由一さんが、6月9日に亡くなられたそうです。。。
言葉を大切に選びながら、かつユーモラスに話してくださった、数々の場面が思い出されます。
誰も責めず、否定せず、いつも穏やかなあの笑顔。
人にも自然にも、いつも真摯に向き合うあの姿勢。
それが私の、そしてたくさんの人の心に響きました。
自然農の考え方ややり方もすごいのですが、それにも増してあの生き方、人柄に惹かれた人が多かったのではないでしょうか?
善い悪いのジャッジがないのです。
『眼の前の自然に添う、応じる、任せる』
川口さんの自然農の基本はこれだけです。
この考え方が自然にも人にも、あらゆる場面で適応されていたんだと、今になって思います。
余計なことはしないが、必要な手助けはする。
そこに、固定化した方法や概念はありませんでした。
自然農は、方法論ではなかったのです。
自然農法ではなく自然農とした理由はそこにあるのでしょうか。
私たちはともすると、方法論ばかりを追い求めてしまいがちです。
その方が簡単ですから・・・。
しかし、眼の前の自然や人はいつも違います。
いつも変化しています。
その違いや変化に”添う”ためには、方法論では対応できないのです。
細やかにその変化に”添い”、”応じ”、そして無理やりコントロール(支配)しようとせず、”従い”、”任せ”てしまえる勇氣。
自分の答えを自分の内に見出す勇氣。
それには、柔軟さ、臨機応変さ、そして良い加減さ。。。
が求められます。
しかし、コントロールできると思い込み、躍起になっている私たち。。。
そのつけが至るところに出てきているのだと、誰の耳にも聞こえるほど明らかな警鐘が聞こえています。
でも、聞こえていないふりをするのがとても上手な私たちです。
人は、私たちのこの身体は自然そのものです。
だから、自然に添って生きること。
太陽や水や空氣といった、欠かすことのできない恵みの中で日々生きていること。
それに氣づきさえすれば、人は喜びの中で日々を生きることができると、笑顔で教えて下さいました。
忘れてしまいがちな”当たり前”のこの事実をしっかり受け止め、感謝し、前に進んでいきたいと思っています。
前に進む答えを、それぞれの人がそれぞれの答えを自らの内に見出すことができるよう、手を変え品を変え話してくださっていたのだなぁと、川口さんの訃報に際し、しみじみと思い出しています。
私たちの心に、たくさんたくさん種まきをされた川口さん。
いろんなところで芽を出し、花を咲かせています。
大変お世話になりました
ご冥福をお祈りしています。
※川口さんの人柄がよく分かるエピソードが、You Tubeなどにあがっていました。
それに関しては、こちらのページで。。。