ブエノスアイレスを観る | きぃ散歩

きぃ散歩

猫との暮らし


きぃだよ!黒猫



横耳ちゃん



黒猫「なんの!おねちゃんだよ」



黒猫「きもちはちょっとあかちゃんかもしれへんけども」



気温が上がってくると寝そべったきぃちゃんの写真がどんどん増えていきますにっこり





ブエノスアイレス レストア版を観ました




これは素晴らしすぎる
切ない様な胸苦しくなる様な作品です
それでいて最後フッと何かが解ける快感


90年代単館映画の雄、ウォン・カーウェイの最高傑作といえるのでは
クリストファー・ドイルの映像も素晴らしい


ファイ(トニー・レオン)とウィン(レスリー・チャン)は度々別れを繰り返します
湿っぽくて清潔とは言い難いのに離れ難い寝床の様な二人の関係
故郷の香港から遠く離れたブエノスアイレスで
どことなく饐えた感じの二人の関係は堂々巡りします


依存かも知れないけれど本気でもあるのを感じて益々切なくさせられます
最初は風と木の詩のセルジュとジルベールが頭をよぎりました
働き者のファイと享楽的なウィンの対比で


ファイがウィンのパスポートを隠す真意にぐわーっ!となりました
乙女やん


〆に流れるダニー・チャンのHappy togetherが最高!


昔は単館映画をよく観に行きましたが
丁度ブエノスアイレスが上映される頃には
映画に興味を失いつつあり観に行く事はありませんでした
これは機会損失と言えるでしょう


ちょっとアレだなーと思った部分もあります
度々ウィンが太川陽介に見える
ファイが食肉工場で働く
食肉に恐怖を抱く様になった私には非常にきつかった
暫く字幕だけ見て音声はミュートにしました


本編とは関係ない見所
チャン役のチャン・チェンが最高に男前でした
台湾の俳優さんだそうで
配役自体もとても良いのですが、とにかく見目が良い
出演作であるDUNE砂の惑星も是非観たいですね
あとはブエノスアイレスの街並みにアイワのネオンサイン
ああ90年代だとこれまた切ない様な気持ちになりました


氷河期世代は何かと不遇扱いですがカルチャー的には恵まれています
90年代〜00年代
そう遠くない上の世代の黎明期のカルチャーと
現在進行形のこなれつつもエッジの利いたカルチャーを同時に楽しんでいました


それと今の利便性を享受してはいるけれど
あの頃当然だった多少の不便や手間隙が
何かしらのスパイスになっていたのも感じています


そんな時代の作品だから当時の空気感を思い出しながら楽しめます
氷河期の特権かもね