『企業システム戦略家』養成講座
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【Vol.883】2021/10/4        (創刊 2003年12月15日)

発行:企業システム戦略研究会
http://www.kigyo-systems.com/about.html

 【続、個別受注メーカのM&A事例】


 今回も引き続き、生産プロセスと
 システムのGAPを見ていきましょう。


・図面と部品表

 図面にはもともと部品の形状を描いた部分と、
 その部品の名称や個数などの属性を記載した
 部品表があります。

 図面と部品表が一体か、
 分離されているかというGAP


 船やプラントなど一品物では、
 一体型が多く

 航空機や自動車などは分離されている
 ことが多いようです。


 部品表を分離する背景には、
 BOMの導入があります。

 BOMを構築して運用する段階で
 部品表を分離した方が
 なにかと都合がよいです。


 一方、一品物でBOMを構築しない場合は、
 部品表を分離する必要性がありません。


 部品表が一体であると、部品を手配するには、
 図形もいっしょに出図する必要があります。


 部品表が分離されていると、
 部品の情報のみをEBOMからMBOMに渡し、

 手配や製造の検討に入れます。


・BOM

 BOMが単一階層か多階層というGAP

 単一階層は最終製品の下に全部品が
 フラットにぶらさがる形です。

 多階層は最終製品から組立、子組立、部品
 といくつかの階層になっています。

 BOMが単一階層しか表現できないか、
 多階層も表現できるかというのは、

 システム的に大きなGAPになります。

 一般的なPLMやERPでは、多階層BOMですが、
 単一階層のBOMを多階層にするのは、

 結構な大きな改修になります。


 以前、航空機の世界で
 多階層より単一階層がシンプルで良いと
 フラットにした事例があります。

 しかし、その結果、製品構造が把握できず
 設計変更で混乱を生じ、3階層まで戻しました。


 数百万点の部品が単一階層でフラットでは、
 構造が把握できないです。

 部品を変更した場合など、
 その部品を使用している直接の組立が
 把握できないと影響分析もできません。


 一方、階層が十階層を超えてくると、
 これまた複雑化してきます。


 どれくらいの階層が適切なのかは、
 永遠の課題です。



・出図手配

 全ての図面を出図完了してから
 部品の手配をするか、

 図面を出図しながら順次、
 手配を進めるかというGAP


 後者を「五月雨方式」といいます。


 顧客仕様に依存しない共通部分は、
 製品仕様が決まらなくとも手配が可能です。

 また、顧客仕様で形状がなかなか決まらずとも
 部品の使用個数などが決まれば手配できます。

 この時に、部品表が分離されていると
 好都合です。


 先に部品表だけ出して手配を進め、
 後から形状を決めて出図できるからです。


 なぜ、そんなことをするのか。

 「リードタイム短縮」のためです。


 月産数台の一品物より、
 月産数十台の繰返し生産のほうが、

 リードタイムがよりシビアだからです。  


 次回は、在庫管理とMRPを
 見ていきましょう。

 それでは、また。


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 研究テーマ
「BRMS* によるスマート・エンタープライズ実現
 と企業価値最大化に関する研究」
 *Business Rule Management System

 Research theme
「Study on the Smart Enterprise Implementation
 and Maximize Corporate Value by BRMS」

 経済産業大臣認定情報処理技術者 
  システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者
 日本ITストラテジスト協会会員
 日本生産管理学会会員、標準化研究学会会員

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