【MRPとBOMの系列切れ】


 生産管理の中心的な機能である
 MRP(所要量計算)が実用的なレベルで
 機能するには、

 BOM(部品表)の精度が重要です。


 BOMの精度とは、

 実際の製品とBOMのデータの一致度合い
 を意味します。

 例えば、製品に組み込まれている部品の個数
 であるとか、部品の親子関係などです。


 BOMには製品に関する様々なデータが記録
 されていますが、

 MRPでは、特に部品の個数と親子関係が
 重要です。
 

 その理由は、MRPの仕組みに由来します。


 MRPの基本的な仕組みは、

 製品の最上位の部品から下位の部品を
 たどって個数を積算していきます。


 例えば、製品Aには組立品Bが3個必要で、
 組立品Bには部品Cが4個必要なら、

 製品Aを10個作るには、

 A:10個xB:3個xC:4個

 で、部品Cは全部で120個、必要です。


 この A-B-C という部品のつながりが
 部品の親子関係です。


 BOMの中では、親A−子B、親B−子C
 というように、親子の部品がペアになって
 データが記録されます。


 この親子関係が正しくつながっていない状態が
 「系列切れ」です。


 例えば、親B−子Cであるはずのペアが、

 親B−子Dと間違ったペアになっていたり、
 そもそも、親Bとペアの子が存在しないとか、
 子Cが、どの親ともペアになっていないとかです。


 この系列切れがあると、

 A-B-C という部品のつながりを
 システムが探索できないため、
 
 A:10個xB:3個xC:4個

 というMRPの所要量計算を行うことができません。


 その結果、間違って部品Dを120個作ったり、
 部品Cが無く、Bができない、結果、Aができない

 納品できない!ということになります。


 このような系列切れは、

 図面から部品の情報を拾って
 BOMに登録する時のミスや

 設計変更などで、
 部品を別の部品に変えた場合の
 親子関係の変更ミスで発生します。


 この系列切れがやっかいなのは、

 PLMなどのBOMを管理するシステムでも
 自動的にチェックすることが難しい

 という点です。


 組立品Bに必要な部品が
 CなのかDなのか

 あるいは、
 Bには部品は何も無くてよいのか
 (Bを外部から調達する等)

 コンピュータでは判別が難しいからです。


 人間であれば、図面(CADや紙)等を確認し、
 正しい状態を判別できるのですが。。。


 そこで、せめて「系列切れ?」と思われる、

 親部品のない部品や子部品の無い部品を
 リストアップして定期的に確認することで

 BOMの精度向上を図る必要があります。


 ちょっと長くなったので、

 「系列切れをリストアップする方法」

 は、次の機会に回したいと思います。



 ITは、I(情報)とT(技術)で成果が出ます。

 MRP(技術)を導入しても、I(情報)がダメだと
 成果につながりません。

 成果が出ないのをT(技術)のせいにしていませんか?

 MRPをERPにしたり、PLMを導入したり、
 はてはIoTやAIを導入しても

 I(情報)に愛がなければ。。。

 AIなんかも腐った情報を喰わせると
 下痢や中毒とか起こすかも?!

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 昔、殷の興こるや、伊撃 夏に在り
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 すぐれた明主や賢将だけが、
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「BRMS* によるスマート・エンタープライズ実現
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 *Business Rule Management System

 Research theme
「Study on the Smart Enterprise Implementation
 and Maximize Corporate Value by BRMS」

 経済産業大臣認定情報処理技術者 
  システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者
 日本ITストラテジスト協会会員
 日本生産管理学会会員、標準化研究学会会員

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