Tunis 28 | Kifak

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シャンゼリゼで僕と乾杯!

 

ラ・マルサのクスクス屋が、日替わりでイワシのクスクスをやると聞いて、平日ではあるが来てみた。

 

 

いやー美味いな、値段が値段だから当然なんだけど、料理の清潔さや味の良さ等どれをとってもチュニス市街地の店とは比べ物になんない。昨日なんかスープの中に歯形のついたオリーブの種が入ってたもん、やんなっちゃうよ。

 

 

客層もチュニスとは全然違う。皆フランス人か、フランコフォン(フランス語話者)のマダムやムシュー、一見してわかる富裕層ばかり。

 

 

イワシのミンチボールが特に美味しかったな。日本でいうツミレだ。ただ、これは生姜醤油かおろしポン酢で食いたい泣。

 

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食後は近くのカフェで一服。カフェといってもうちらがイメージするような洒落た店じゃない。隠居の爺さんや暇人の溜まり場だ、その代わりといっちゃなんだが安い。俺はコーヒーにはそこまで執着しないから、一服するにはこういう場で十分だ、逆にお洒落なとこは苦手。

 

来店3回目ともなると、店の店員から話しかけられる。俺チュニジア方言はイマイチわからんのよね。逆に俺が話すアラブ語は向こうは理解するのよ、なぜならアラブ語の標準語だから。でも相手は標準語では返してくれない。

 

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普通ニュースや新聞で話されたり書かれるアラブ語は、どこのアラブの国でも標準語が使われる。なので、大抵の人は標準語を理解はする。ところが、話すとなると結構厳しいらしいのよね。ヒアリングは出来るけどスピーキングがあまり得意ではないと。

 

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標準アラブ語がわかると色んなアラブの国の人と会話が出来るよなんて言説をみかけるけど、まあ確かにそうなんだけど、俺はそこまで互換性があるとは思わない。方言が解らない自分に相手(ネイティブ)が標準語で合わせてくれるかによるよ。


アラブ語の標準語とチュニジア・アルジェリア・モロッコで話されているマグレブ方言との差はかなりある。日本語の標準語と他県の方言との比じゃない。そんな生やさしいもんじゃない。


マグレブ方言は、会話の中に所々アラブ標準語が使われてはいるけど、他はよく分かんない上に、固有名詞や動詞、形容詞、副詞など、かなりフランス語が入り込んでいる。もう違う言語と言ってもいいくらいの差があると思うな俺は。


家庭教師のマリアムによれば、例えばチュニジア人とパレスチナ人が意思疎通した場合、チュニジア人は、比較的標準語に近いパレスチナの方言を容易に聞き取るが、パレスチナ人にとってチュニジア方言を理解するのは難しいはずとのこと。そう言えば、アルジェリア時代、先輩通訳のNさん(エジプト人)もアルジェリア方言に苦労したって言ってたもんな。


しかも同じマグレブ方言でもチュニジアとモロッコは、アルジェリアを挟んで相当距離が離れているから、完全に疎通できるかは分からないって言ってたし、もう訳わかんないね。


こんなに方言との乖離が顕著な言語って他に無いんじゃない?正直コミュニケーションツールとしては結構使い辛い言葉だと思う、特にビジネスの分野ではさ。そういう仕事相手は当然英語を喋るだろうし、喋れないとマズいと思う。フランコフォンのアラブ人ならフランス語を喋るだろう。



クスクス美味かったで終わるつもりが、似合わない話題にそれてしもた。


カフェの店員に「標準語で喋って」とお願いしてみたけれど、彼の喋る標準語は見事なチュニジア方言だった。全然変わってない。