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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、前回記事の続きです。
前回の記事では、人間関係の基本である『横の関係』を築く上で必要な態度の三つ目として『信頼』のことを書きました。
『信頼』とは、信じるに足る根拠を求めず無条件に相手の人を信じることである、と。
(前回の記事は→コチラ )
そして、信頼にはもう一つ重要な意味があります。
それは、相手の能力を常に信じるということです。
つまり、相手の人には、自らの課題を乗り越える能力が備わっているのだと信じることです。
それについては、アドラーにこんなエピソードがあります。
アドラー先生が子どもと絵を描いていて、その子が
「僕、うまく描けないんだ。なんでもぐちゃぐちゃにしちゃうんだ」
と言うと、先生は、
「ここに四角い紙があるよね。一本だけ線が引けるかな?」
と、その子に聞くのです。
するとその子は、一本線を引きました。
そこで先生は、
「じゃ、続けてもう一本書けるかな?」
と聞き、その子は先生に言われるとおりにしました。
一歩一歩子どもは、何かをするよう勇気づけられ、学んでいきました。
先生の子どもに対する辛抱強さは、誰にも真似できないものでした。
例えば、恐怖症のため一人で暗い部屋に入るのを嫌がる子どもに対して先生は、
「二歩だけ進めるかな?」
と言うのです。
そうすると、子どもは一歩だけ進むのです。
そこで先生は、
「二歩進めるかな。そしてドアを開けて中を覗けるかな?」
と言うと、子どもは、「ついでに中に入ってみよう」と思うのです。
私たちは、部下であれ子どもであれ、うまく出来ない相手に対して、
「そんなことも出来ないのか!」
と、ついつい声を荒げてしまいます。
それは、取りも直さず相手の能力を信じていないからに他なりません。
相手の能力を信じていれば、相手の人には必ず目の前の課題を乗り越える能力があると信じていれば、声を荒げることもなく辛抱強く向き合うことができるのではないでしょうか。
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