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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、人間の脳には、『ミラーニューロン』と呼ばれる特殊な神経細胞があります。
この神経細胞は、別名を『ものまねニューロン』とも言います。
これは、人がある動作をするときに活動するだけでなく、他の人が同じ動作をするのを見ているだけでも活動するという不思議な神経細胞です。
たとえば、あなたがテーブルの上に置いてある飲み物の入ったコップを掴もうと手を伸ばす動きをするときに活動する神経細胞が、他の誰かが同じようにコップを掴もうとしているのを見ているだけでも活動する、ということです。
なぜ、このような神経細胞が存在するかというと、それは、頭の中で他人の行動をさも自分がしているかのようにシミュレーションするためです。
そして、他人の行動の意図や目的を理解するためなのです。
先の例で言うなら、その人は、飲み物を飲むためにコップを掴んだのだ、と理解するためです。
この神経細胞があるがゆえに、人は、『心の理論』を理解することができる、と考えられています。
心の理論とは、他人を知的精神的存在として捉える能力、つまり、自分自身が持っているのと同じたぐいの思考、感情、観念、動機などを持っているという前提に基づいて他人の行動を理解する能力、だと説明されています。
この心の理論は、子どもが三歳から四歳ごろにかけて理解するようになる、と言われています。
そして、この心の理論を理解できるがゆえに、私たちは、他人とのコミュニケーションを、ある程度はスムーズに行うことができるのです。
しかし、それと同時に、心の理論は、私たちに大きな十字架を背負わせることにもなりました。
それは、心の理論の自分自身への応用です。
つまり、自分が他人の行動を見てその意図や目的を理解しているのと同じように、他人も自分自身のことをそのように見て理解している、と認識することです。
ここから『自意識』が芽生えてきました。
私たちは、知らず知らずのうちに、他人の行動の意図や目的を知り、その行動を評価しています。
そして、それと同じように、他人も自分の行動を評価している。
そう感じるのが自意識です。
心の理論を理解するのが三歳から四歳のころなら、それを自分に応用するようになるのが、恐らく思春期のころからなのだと思います。
それゆえ、思春期以降になると、人は、周囲の目を非常に気にするようになります。
そして、そのことが、アドラーの言うところの、『人間の問題は、常に自分の価値に関わることである』ということに帰着するのです。
自分は周囲からどのように見られているか。
そのことばかりが、常に、人々の頭の中を支配し、人の行動を規定するようになるのです。
それゆえ、幸せに生きるとは、この自意識からいかに自らを解放するか、その術を身につけることだと言えるのです。
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