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心理コンサルタントの白瀧です。
数字を見ると、それが黒いインクで印刷されているにも関わらず、ある特定の色が見える。
そんな人がいます。
あるいは、音を聞くと、ある特定の色が見える、という人もいます。
眼を閉じてある特定のテクスチャに触れると、さまざまな情動を体験する人もいれば、ものに触れるたびに、味を感じる人もいます。
これらは、『共感覚』と呼ばれている現象です。
彼らは、脳に異常があるわけでも障害があるわけでもありません。
極めて正常なのです。
この共感覚の原因については、幼い頃の経験や記憶が影響しているのではないか、と言われていました。
たとえば、数字に色が見えるという人は、幼い頃に、色つきのマグネットの数字でよく遊んでいたからだ、と。
しかし、もしそうであるなら、数字に色が見えるという人は、ほとんどの人が同じような色を見るはずですが、色の見え方は人によってさまざまなのです。
5という数字から青が見える人もいれば、赤が見える人もいます。
数字によってどの色が見えるかは、人によって違うのです。
最近の研究によれば、共感覚が起こるのは、脳における神経細胞の回路がクロスしている、つまり交じり合っているからではないかと言われています。
現に、色を認識する中枢と数字を認識する中枢は、脳の中においてまさに隣り合っています。
その他の共感覚の現象も、このクロス活性化の説に従えば、うまく説明がつくと考えられています。
また、最近のある調査によれば、詩人や小説家、芸術家には、共感覚の人が多く、この共感覚という現象が、想像力や創造性の源になっているのではないか、とも考えられています。
しかし、共感覚という現象は、何も特別なことではありません。
私たちは、日常の中で、共感覚的なことを体験しています。
それは、メタファー、つまりは比喩表現です。
たとえば、
「あの女性(ひと)は、太陽だ」
などと表現するとき、
「あの女性は、東から来て西に消える」
ということを意味しているのではないことは、誰にでもわかります。
「太陽のように光り輝き、太陽のようにあたたかく、太陽のように私を包み込んでくれる」
というような意味を含んでいることを理解するでしょう。
実際、私たちは、さまざまなメタファーを使います。
気分を色で表現したり、味を他の感覚で表現したりします。
つまり、私たちが日常的に体験する感覚は、常にさまざまに絡み合っていると言えるかもしれません。
そして、共感覚とは、それらが特に協調されて起こる脳の現象なのかもしれません。
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