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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、かつて京都に、『木島櫻谷(このしまおうこく)』という画家がいました。
明治から昭和初期にかけて活躍した画家です。
彼は、自然と叙情の調和した卓越した表現で動物や自然を描き、一躍、京都画壇を代表する画家となりました。
真っ白な雪と力強くまっすぐに伸びる竹林のコントラスト。
そして、まっさらな雪の上に足跡を残しながら歩く一匹の眼光鋭いキツネ。
彼の代表作である『寒月』は、凍てつくような冬の自然の厳しさとその静寂な空気を破る孤独な生命の対比が、観る者に深い印象を与えてくれます。
しかし、夏目漱石は、この作品に対して、
「屏風よりも写真屋の背景にした方がいい」
と酷評しました。
「彼の作品は、単なる写生に過ぎない」と。
称賛と批判。
櫻谷の絵が、その評価を大きく二分した理由は、当時、日本に入ってきた西洋絵画の流行の波が挙げられます。
「彼の絵は、もはや時代遅れ」
そのようにも揶揄されました。
その後、櫻谷は、第一線から姿を消すことになります。
流行は、いつの時代も、移ろい易く流行りや廃りがあるものです。
そのような移ろい易い流行に対して、松尾芭蕉は『不易流行』という言葉を残しています。
確かに、流行は、時代により移ろい易く、流行りや廃りがある。
しかし、この世界の本質そのものは、どのような時代であっても、決して変わるものではない。
そのような意味になるでしょうか。
絵画に限らず、音楽にもやはり、その時代時代の流行りや廃りがあります。
しかし、それは、あくまでも作品の表現形式であって、その作品自体が持っている世界観そのものは、普遍的であり、流行りや廃りはないはずです。
昨日、ふくばが、ポール・マッカートニーのコンサートの記事を書いていましたが、71歳の彼の歌は、今も人々を感動させてくれます。
それは、彼の歌が作り出す世界観が、時代を超越した普遍的なメッセージを奏でているからではないでしょうか。
私たち人間の価値観も、確かに時代により大きく変わってきます。
しかし、私たち人間の持つ本質そのものは、いつの時代も変わることはありません。
櫻谷の寒月が醸し出す凛とした冬の空気感は、私に静かな感動を呼び起こしてくれます。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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