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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、最近、広島県呉市で起きた、女性遺体遺棄事件に関する報道がかまびすしい。
自首した16歳の少女は、当初、
「LINEに悪口を書かれたので殺した」
と供述していました。
事の真相は今後の捜査の展開を待つとして、少女の口にした動機は、あまりにも短絡的で不条理なものです。
かつて、カミュ原作の『異邦人』で、殺人を犯した主人公ムルソーは、その動機を
「太陽のせい」
だと言いました。
犯罪とは、己の利益のために他人の権利を侵害する行為です。
その行為において、人を納得させる理由を期待すること自体が間違っているのでしょう。
その動機は、常に、不条理であまりにも利己的なものです。
そもそも犯罪行為を、それを犯した人間の人生から切り離し、その原因を犯罪者の過去に求めても、犯罪行為そのものを理解することはできないでしょう。
そのためには、その人間の生きている人生において、その行為がどのような意味を持っているか、そのことを知る必要があります。
すなわち、人生という文脈の中における、その行為の隠された意味を見つけ出す必要があるのです。
犯罪行為も、それを犯した人間の人生におけるある種の目標を意味しています。
それは、隠された目的を持っています。
ただ、犯罪行為は、その目的を達成する手段としては、あまりにも不条理であまりにも利己的で、そして、あまりにも不適切過ぎるのです。
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