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心理コンサルタントのしらたきです。
さて、2008年12月に次のような事件がありました。
入院中の1歳10カ月の五女の点滴に腐った水を注入し、殺害しようとしたとして、京都府警捜査一課と川端署は、殺人未遂の疑いで、岐阜県関市の母親(35)を逮捕した。
その後の調べで、五女の姉3人も4歳までに免疫不全などで死亡していることが明らかになった。
五女は12月初旬、岐阜県内の病院から京大病院に転院。
敗血症で体調が悪化しており、血液検査で本来は血中に存在しないはずのカンジダ・アルビカンス菌が検出された。
母親は逮捕容疑となった混入以前にも点滴に腐敗水を混ぜたことをほのめかしているという。
府警は子どもなどをわざと傷つけて看病するような行動がみられる『代理ミュンヒハウゼン症候群』だった可能性があるとして調べている。
そして、『代理ミュンヒハウゼン症候群』に関しては、次のように説明しています。
『他者の同情・関心・援助』を引き出すために自分ではなく健康な家族や子どもに危害を加え、あるいは病気を捏造することによって、不必要な検査・治療・入院などの医療行為を受けさせ、子どもに身体的、心理的苦痛を与える特殊な虐待を繰り返すケースもある虚偽性の精神疾患の一つである。
(記事の詳細は、コチラ をご参照ください。)
ここにもやはり、自分の能力に対する自信の無さから、
人生の課題を逃れようとする人間の自己欺瞞の姿をうかがい知ることができます。
この場合、母親は、自分の親としての能力に対して自信を失っています。
そこで、子育てという自分の課題から逃れようとするわけです。
そのために用いられるのが、子どもを病気に仕立て上げるという方法です。
子どもを病気に仕立て上げ、その子どもを献身的に看病することによって、
周囲の人たちから同情や関心、援助を得て、
自分の母親としての評価を高めようとするのです。
そして、そのことにより、
子育てという課題から逃れようとしていることをごかまそうとしているのです。
これは、自己欺瞞による行動のとても極端な例です。
しかし、このような行動は、確かに極端な例ではありますが、
残念ながら、何も特別なことではありません。
多くの人たちが、このような極端なものではないにしても、
同じような行動を取っているのです。
それは、自らの行動によって現在の状況を作り出し、
そして、その中で悩み苦しむことによって、
自分に課された人生の課題から逃れようとする自己欺瞞の行動です。
それゆえ、
私たちが演じている自己欺瞞も、この『代理ミュンヒハウゼン症候群』も
その行動の根底にある構造は、同じようなものだと言えるのです。
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