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心理コンサルタントのしらたきです。
さて、記憶は、私たち人間にとって、とても重要な役割を果しています。
人は、記憶があるからこそ、常に統一された自己として生きていくことができます。
そんな人の記憶を題材にした映画が、クリストファー・ノーラン監督の『メメント』です。
保険調査員のレナードの家に、ある日、何者かが押し入り、彼の妻をレイプした上に殺害します。
その光景を目の当たりにした彼は、ショックのために、前向性健忘という記憶障害を発症してしまいます。
前向性健忘とは、新しい記憶が形成されなくなる脳の障害で、発症前の記憶はちゃんと残っているのですが、発症後は、新しい出来事がほんの数分間しか覚えておくことができなくなるのです。
レナードは、そんなハンデを背負いながらも、妻を殺した犯人を探し出そうと行動します。
彼が新しい出来事の記憶を保っていられるのは、10分間。
そこで、彼は、出会った人物や訪れた場所をポラロイドカメラで撮影し、その写真にメモを書き込み、事件のキーワードとなる重要な言葉は、全身にタトゥーとして彫り込むことによって手掛かりを残そうとします。
わかっているのは、犯人のイニシャルがジョン・Gであること。
しかし、犯人を追っていけば行くほど、謎はどんどん深まるばかり。
誰の言っていることを信用すればいいのかわからず、レナードは疑心暗鬼にかられ、事件の迷路の中へと彷徨い込んでしまいます。
人の記憶は、DVDやブルーレイのように、経験した出来事を最初から最後まで寸分の狂いもなく残しているのではありません。
必要でない部分は切り捨てるという編集作業を行いながら、自分にとって重要な部分だけを抜き取って覚えています。
それゆえ、記憶を想起するときには、切り捨てて不鮮明になった部分は、想起したときの自分の状況や感情に合致するように新たに加工して思い出しているのです。
このように、人は、自分の記憶をそのときそのときの状況に合うように書き換えながら、自己の一貫性を保つようにしています。
ときに記憶が当てにならないのは、そのためです。
しかし、その反面、その人が何を記憶しているかはとても重要なことになります。
なぜなら、人は、記憶によって自分の信念を強化しているからです。
それゆえ、不幸な人生を歩んでいる人は、うまく行かない記憶ばかりを無意識のうちにかき集めているのです。
そうして、『自分は、何をしてもうまく行かない』という信念を強化しているのです。
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