平成29年度 殉職自衛官追悼式が自衛隊郡山駐屯地で挙行され、駐屯地オピニオンリーダーのひとりとして参列させていただきました。
今年度、図らずもその任務の途上で幽明界を異にすることとなった3名の方を新たに奉り、昭和29年以降、陸海空あわせて52柱となった本県殉職自衛官の御霊を慰め、その安らかなることを念じながら、ご遺族皆様と故人を偲ぶ機会です。
第6特科連隊長兼ねて郡山駐屯地司令の牧野雄三一等陸佐の式辞、県中地方振興局長の内堀雅雄知事からの追悼のことばの代読の後、ご遺族様とご来賓の献花に続いて陪席の私たちも献花をさせていただきました。
牧野司令の式辞でも述べられていましたが、入隊に当たっての宣誓に象徴されるその目的は、まさに自らの身命を賭けて国民と国を守ることです。
その訓練は自ずと過酷なものとなり、そこを耐え抜いて来るべき時に備えて日々を積み重ねている隊員の皆さんのご労苦に思いを寄せるとき、こみ上げるものを抑えることができないのは、日頃、意識の外にあるそういった方々に守られている私たち一般の国民であれば当然ではないでしょうか。
ましてや、日常をそのような極限の中におくことを仕事として選択した家族をもち、その唯一無二の家族をその任務の途上で失うことになってしまったご遺族の皆様の思いは、察して余りあるほど厳しく辛いものであると。
しかしながら、いまや英霊となられ私たちを見守ってくれているであろう52柱の殉職自衛官の皆様も、その辛さや苦しさを乗り越え、ただひたすらに残されたご遺族の平穏と安寧を願ってくれているのではないかと思います。
奇しくも本日午前7時前、隣国北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、我が国上空を超えて、北太平洋上に落下させるという事態が発生しました。
実害が無かったことをこれ幸いと一部の方々が声高に唱える我が国平和憲法の有り様が、自衛というのもとに座して損害を被るのを待つより術のない我が国の現状を憂い、そのような中にあって手足を縛られた状態で任務を果たすことを求められている自衛隊の法的地位の確立と、先日のブログでも書かせていただきましたが、隊員やそのご家族への敬意と感謝の思、日常の中で意識されることなく存在するような環境づくりをして行かねばならないと強く感じました。
そしてまた、これも当然のことながら、自衛隊がその本来任務を遂行しなければならないような、誰も望むはずのない争いが不測の要因から起きることなどないよう、殉職自衛官の御霊の前で心から祈らせていただきました。
余談になりますが、地元郡山市の品川萬里市長といわき市の清水敏男市長からも追悼メッセージが寄せられたことが式典のなかで紹介されました。
こうしたことが日頃からの意識の中に芽生える目に見えぬ繋がりとなり、6年前のあの大震災の時の自衛隊の皆さんの素早い救援のように、万が一の事態に活きてくる強い絆となることを身をもって経験している身としては、少し嬉しくなるような瞬間でした。