函館ちゃんちゃんこ物語43「歴史ロマンの町・江差をズリズリ歩く」 | 海峡kid.の函館ちゃんちゃんこ物語

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函館ちゃんちゃんこ物語43
 

道場海峡男(どうばうみお)は、

本棚の隅から、大学の研究室の機関誌「学大地理」を取り出した。

色あせた機関誌だが、

40年前の懐かしい思い出の数々が鮮明に蘇って来た。

研究室の仲間、ちゃんちゃんこ軍団の同志、4年間の輝く函館の歴史がここにある。

 



歴史ロマンの町・江差をズリズリ歩く
 

6月30日、地理実習「奥尻島巡検」は、予定通り函館駅を出発した。函館から江差までは約80km、天気もいいし、1時間半のゆったりのんびりの旅をみんな楽しんでいた。元気な長老、奥出大蔵は、

「いい天気だし、気持ちがいいね!」

と、これから始まる巡検をとても楽しんでいる。マドンナ安子貴子は、

「そだねえ、いい気持ち」

みんな、江差までの列車旅を満喫している。


そんな賑やかな雰囲気の中、昨夜のさかえ寿司のダメージが残っている海峡男やクマさん伊藤、そして、神童中田の3人は、座席にじっと座ったまま、この楽しい時間を無駄に過ごしたまま、列車は、歴史ロマンの町「江差」に到着した。

江差駅についてしばらく行くと、古い町並みが見えてきた。

「静かでいい雰囲気の町だねえ」

「歴史を感じるな」

元気な連中は、歴史ロマンの町・江差を実感していた。

 

 

 

北海道の南に位置する江差。北海道に、ニシン漁のために北前船に乗って集まった商人たち。その伝説と繁栄の町が江差である。
また、日本が近代国家に向かった明治維新に、最後まで新政府軍と戦い、箱館の地で散った旧幕府軍。その象徴的な巨大軍艦「開陽丸」が座礁し、沈没したところが江差沖であった。

 

 

また、あの世界的な伝統芸能「江差追分」の故郷でもある。
 

 

今回の目的地の奥尻島へは、この江差からフェリーに乗る。

「ちょっと急がないと、フェリーに遅れるかも」

教授が時計を見て言った。

「はい。おお、海峡たち急げ、行くぞ!」

長老奥出が、遅れている3人に声をかけた。

江差駅からフェリー乗り場までは徒歩での移動である。フェリーの出航時間がはっきり分からないため、みんな焦って坂道を小走りに登っていった。・・・が、例の3人はズリズリ・・・ズリズリ・・・足を引きずりながらゾンビのごとく、または貞子のごとく、坂道を這うように蠢いていた・・・。

 

 

続きます

 

※おことわり
この物語は、実際にあったかどうか疑わしいことを、作者の老化してぼんやりした記憶をもとに書かれていますので、事実とは全く異なります。登場する人物、団体、名称等は、実在のものとは一切関係はありません。
また、物語の中の写真はすべてイメージです。