閑話休題 100年の孤独③ | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

お酒を嗜まれる方は

お気づきかと思いますが

「100年の孤独」

南国は宮崎の、おいしい焼酎の名前でもあります。

興味があれば飲んでみそ?むぎ。

しみじみと孤独を堪能できること請け合い。

 

ちなみにこれまた南国は鹿児島の

「魔王」ってのもある。

こちらは芋。

ネーミングセンスに脱帽。

 

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さて、子宮を使って子を産み

一見幸福そうな家庭を築けたとしても

なかなか治らない「孤独」という病

付ける薬がばかに対してと同様、全くないので

なんとか不完全な自分と折り合いをつけていくしか

他に方法がありません。厄介なことではあります。

 

世の中は広く、山も高く海も深いので

子宮さえ残していれば

誰かに精子と卵子を提供してもらい

遺伝上は全く血のつながりがなくても

自分の子宮で育てて産み、

「親子」関係を始めることは可能です。

最近はレクサス1台分くらいでなんとかなる、

とも聞き及びますし

あながちSF小説の中の出来事でもなくなってきました。

 

ただ、養子であれ、誰かの卵であれ

ご自分のDNA断片が入っていない子孫を

受け入れることができるかどうかは別問題なので

そういった特殊な解決方法を選択されない、となると

「子宮経由以外の」方法で

ご自分の

「一人で死んでいく恐怖=100年の孤独」に

なんらかの決着を見出さざるを得なくなります。

 

人によって

それが仕事だったり芸術だったり

何かの信念だったり宗教だったり

誰かへの愛だったり憎しみだったり

何かとの絶え間ない闘いだったり

それなりに皆、痛みを抱えて生きているわけですが

人生の命題はいろいろであるものの

共通することが一つだけ、あります。

 

人が生涯をかけて

真摯に挑んだものは

次の世代の誰かを

必ず動かす

 

ということであります。

 

で、誰かを動かすということは

ひいてはこの世の何かを動かすということ、なんだな。

 

女性は、子供を産む=人間を造る、ことで

簡単に人の世を動かす「可能性」をもはらむわけで

(ほら、スティーブ・ジョブズのお母さんは

 彼を産むという決断で

 確実に世の中を動かしましたよね)

たぶんこれが時として人生の命題の半分くらいを

もっていかれちゃう理由の一つなのではと思うんですが

やせ我慢でもなんでもなく

新しく人間をわざわざ造らずとも

「あなたが」今、

1ミリだけこの世を美しい方に変えることは

できる。

そうなの、やろうと思えば

こちらは存外、できちゃうんですよ。

びっくりしたでしょう?

だから、こっちにシフトしましょうよ。

粉々に割れた卵のかけらを胸に抱いて

雛がまだ孵らないの、と

嘆き悲しむのはもうよしましょう。

 

マダム、

悲しいこと、辛いこと、ままならぬこと

身をよじって嘆き恨むことは

ニンゲンだものbyみつを

必ず誰しも一つは引き受けねばなりません。

あなたの場合はそれこそたまたま、

「望んでも実子が授からない」という命題を引き当て

それが結果としてあなたの心を蝕み、現在。

きっとあなたに元気になってほしくて

自分の持つ最大のコネを提供し(ているつもりで)

勤務の範疇を超えてフレンドリーに話をした(はずの)

通りすがりの女性医師に対してさえ

(もちろん、かなり的外れな親切だったですケド

 それでもあなたを励まそうとしてた

 フシも感じるよ?)

女としてマウントを取ってくる!と

恨めしく思ってしまうような

いつものあなたと違うあなたになってしまっています。

 

思い出して。

 

あなたが「子を産むことだけ」を狙って

いままで生きてきたのかどうかを。

 

・・・違うよね?

 

もちろん、子を産み育てるという経験はすごく貴重で

体験できるなら体験して損はないと思うが

それはいくつかの人生のオプション、

例えば気球に乗る、世界一周する、

アラブの王様に奢られる、

UFOを目撃する、河童と泳ぐ、などの(え?)

そういった爽快感のあるチャレンジと同等でしかなく

決して凌駕しているわけではないことに今、

気がつこう。

 

そして

 

どんなに誰かが慰め励ましても無駄で、

とことん不幸で自分を惨めだと思い

それから立ち直れず、

昏い地獄の底で死ぬ目に遭っていてもなお

他のニンゲンに無礼や

暴力を働いていい免罪符には

決してならないYO

(彼女のキャリアがうんぬん、のくだりは

 もはや暴力です。

 でも直接言わずにえらかった!!)

 

できれば

もう少し泣いて元気を出したら

正気に戻って

上記のことを思い出してほしいと思います。

****************

 

人生、七転び八起き。

 

思いもよらない出来事があなたを襲っても

きっとそれは、スペインに行こうと

思って乗った飛行機が

単純に何かの間違いでイタリアに変更になった、

ってだけのこと。

もちろん、手元にはスペインのガイドブックしかないし

たぶん気持ちはスペイン仕様。

心の底からがっかり感は半端ない。

でも、さてさて行く先がイタリアになった、

えらいこっちゃ、と知るところから

新しい風も旅行も始まります。

 

どうせならとことん楽しもうぜ!

 

ガイドブックをイタリアに変更して

おいしい店でも探しましょうよ♥

 

これこそ「着こなし」。

 

ぜひぜひ、きれいめで攻めてね。