婦人科便り271 閉経の定義 | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

ネタ提供ありがとうございます。

 

得てして医療関係者ではない方の方が

正しい知識と対応の仕方を知っている、という

タレコミありました。

 

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Q.

子宮全摘&卵管摘出し、

月経、妊孕性はなくなりました。

・・・が、両側とも卵巣は残っています。

卵巣はまだ周期があると考え
健診の際、最終月経は術直前のものを回答。

いざ検診時、診察担当の医師に苛立った様子で

「子宮全摘してるなら生理ないから閉経ね?

 先生に生理ないって言われなかった?」

…って言われたのですが、

閉経って卵巣機能が加齢等により停止または

手術等で喪失して月経と妊孕性がないことだと思っていたのですが、

違うのでしょうか?

 

A.

閉経とは:

卵巣機能が加齢等により停止または

手術等で喪失して月経と妊孕性がないこと

です。正解。

 

生理が来ても来なくても

卵巣が動いているようなら(ホルモンを出しているようなら)

厳密な意味では閉経ではないです。当然。

例えば、生まれつき子宮が欠損している方は

そもそも生理が来ない。

有病率からして、実はそんなに珍しくないのだが

卵巣はあるので女性ホルモンはちゃんと分泌されている。

そのうら若き乙女によもや「あんたは閉経」とは言わんだろう。

同じことである。

 

ちなみに、日本産科婦人科学会という

産婦人科医の集いがあるのだが

そこが発行した「定義集」に掲載されています。健診医、読もう。

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だいたいさー

健診担当の医者なんて・・・以下自粛。

自分で思いつく限りの罵詈雑言を当てはめてみよう。

当局は一切関知しないが。

 

たまに「お?この先生、一味違う!」と思わされることもあるため

一概に上記が当てはまらない、と言えば当てはまらないが

たいていはざっくりとしか内容を知らない人が

健診ギョーカイ、多数派なんじゃないかな~と思う今日この頃。

 

 

子宮を摘出するまでにも思いやりのない言葉を

一つや二つ、食らっているものであるが

摘出して卒業に至ってもまだなお

同性にすら足蹴にされる感、あるよねー

卵巣残ってますがな!と言うても

どうせ生理来ないんでしょ、もう閉経でいいやん。

・・・いいわけあるか。

ちゃんとした違いが分からない、浅い知識しか持たんやつに

そんなこと言われたくないよね~

知らないだけぢゃん?

 

医療関係者に声を大にして言いたいが

相手を何も知らない一般人と決して侮ってはならない。

下手すると詳細を調べ上げ、乗り込んできている可能性が

大いにあるのだ。怖い。

 

そういえば、何をどう間違っていたのか

「子宮を摘出したら閉経はこない」

と思い込んでいたマダムがいた。

卵巣を残して子宮だけ摘出した場合

その卵巣は本来の寿命までホルモンを出してくれるが

やっぱり枯れてしまう日は来る。

懇切丁寧にその盛大な勘違いを解かねばならず

そんな思い込み、どこで生じさせたか?と反省しきりである。

しばらく外来で嘘つき呼ばわりされていた。迷惑。

こちらは検索が間違った方向へ行ってしまった悪い例であるが、

おおよそ一般人の方が

ご自分の命運のことだけに専門家より深く調べ上げているのは基本。

この事実は頭の隅に置いておいた方がいい。

 

 

一方、正しい知識、過不足ない注意はやはりマダムの嗜み。

それに受け答えの優雅さが加われば文句なしである。

ご本人もたいしたことない相手に邪険にされてお辛かったと思うが

そこでやつを一本背負いしてしまわず

にこにことかわし、ネタとして提供するなぞ

なかなかにツワモノと見た。

もやもやがこの記事で

多少晴れてくれることをお祈りしております。

ゆるしてやって。ぜひ。

付ける薬がないんだよね、きっと。