婦人科便り225 自力で治す。・・・ってなに?? | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

ネタ提供ありがとうございます。

 

つい一人で音読してしまいたくなるような

お悩みが寄せられている。

実際、声に出して読んでしまった。

 

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Q.

開腹術で手術を受けました。

術後20日目に最後の診察があり

以降は

どんなに症状があっても

受診しないでください

と言われました。

痛いときは

市販の痛み止めを買え

と言われて

まだ買って飲んでいます。

術後2か月が経とうとしているのに

不正出血が続いているのと痛みが強いことがあり、

心配で病院にいきたくなりますが

来るなと言われた手前、

手術をした病院には行けません。

新しい通院先をさがすのも、難しくて

…このまま、自力回復できるか心配なんです。

 

自力で治るでしょうか??

 

A.

治るよ!がんばれ!!

と、励ましてみる。

 

駄菓子菓子

 

・・・野生動物じゃないんだからさー

なめときゃ治るってもんでもなかろう。

現代日本、丁寧に診察してもらっていいと思います。

サハラ砂漠の真ん中でここしか病院がない!以外を除き

星の数よりちょっとだけ少なめだが

婦人科ならどこでもいいので相談を。←こっちが正解!

************

 

こういう放置プレイで

全員の経過が良ければ医者の数も半分でいいのだが

そうもいかないので今日も無事、

ごはんが食べられています。合掌。

 

私の親はちょっとした

今はやりの毒親なんですが(さらり)

私が医者になったときいみじくも

「人の不幸の上に成り立つ職業」と言ったもんです。

たしかにー(棒読み)

ごめんなさーぃ(かわいく棒読み)♡

 

もしかして喧嘩売ってる?(たぶん)

おらびっくりしただ

 

お尋ねのマダムは開腹術で手術を受けたとの情報なので

まあ、術後2か月くらいは調子は悪かろう。

それでもずっとずっと出血が続くのは

やはりおかしい経過なので

執刀医がきちんと対応すべき、

と私は思う。おしまい。

 

・・・とここでやめたいくらいだが

 

所詮、どういった手術になったかなんて

シタ本人しか到底知りえない情報でございます。

どんなに術中動画を眺めてみても(内視鏡使用の場合)

開腹時の所見スナップを閲覧しても

シタ本人の「あー、あれかな」

といった心当たり的まずさは

シタ本人にしか見えない。

 

自分のした手術で何か

不具合が起きているかもしれない可能性について

心配じゃないのかなーと思うのだが、いかがなものか。

 

失礼ながらマダムご本人になんら思い入れはなくとも

受診を禁じられたマダムがよその病院を受診し

何も知らない善意の医師が

何かやばめなことを発見したら

気まずきこと風林火山

私なぞ

ああ、あそこの医者、ヤブだよね~なんて

悪口言われたらどうしよう、と

居ても立っても居られないのだが・・・

 

若かりし頃

「エッチの時コンドームがなくなった~」と言われて

受診してきたエロい体つきのマダムの腟の中に

まだコンドームの残骸があったにも関わらず

遠慮がちな診察がゆえにそれを見つけられず

後日先輩医師がそのくさーくなったブツを発見

マダムからはくどくどねちねち言われるわ

先輩からはいじられるわ

ナースからは「ほらあの医者よ」的に遠巻きにされるわ

語りつくせぬツライ体験をしたことがある。

 

今だったら

極小サイズのくせに

見栄張ってLサイズつけたあんたの彼氏が

悪いんじゃ~ん♡次はXSサイズつけてもらいな!

と雄々しく返り討ちにしてくれるが

若い時はそれはそれはかわゆらしいマドモアゼルだったため

(確かめるすべはあるまい、けけけけ)

しくしく泣いて終わった。

 

それと同じ辱めをうけていいのか??

おい聞いてるか野郎ども。

コンドームは臭くなるだけだが

術後の経過は何が起こるか皆目見当がつかん。

 

あの時遠慮なんてせずに

ごいごい腟の中まさぐってやればよかった!!

とお布団の中でのたうち回るような恥辱

臭くなった腟どないしてくれる!ぜったい絞め殺す、

と言ったマダムの形相が夢に出てくる恐怖

それよりももっとツライ経過が

野郎を待っているやもしれんというに。

 

よ・く・ぞ・ご無事で

よくぞ…

 

ま、それはそれとして

今後のお尋ねマダムのことであるが

やはりどこでもいいので主婦の口コミを聞き

ひとまずどこかの

婦人科のクリニックを受診することをお勧めする。

事情を話して今何が起こっているのか見てもらうのだ。

必要に応じて先方の病院に

連絡なり入れてくれるであろう。

だいたい医者ってのは

同業者をぶつけてみるのが一番。

 

なぜならば

 

一般のマダムの意見に耳を貸さない不遜な野郎でも

少しでも学年が上の医者に

これってどうなってんのー、言われれば

直立不動で言うことを聞くもんだから、である。

 

そしてたいていの総合病院は

周囲の開業医のせんせたちと

密に連携を取っているものだからして

そこからのクレーム、ねじこみ、お願いなどなどは

無下に断れないようになっている。

よって、新しいところを探せない~ぃなどとぼやき

原始時代から受け継がれた自然治癒力を頼るのではなく

(それも大変力になるシステムではあるが)

今こそお友達、親戚、職場の人などに聞いて回って

良き婦人科医に出会えるよう、

努力してみることをお勧めする。

 

諦めてはならぬ

禍福は糾(あざな)える縄の如し

必ずや明日はいい日である、次はいい婦人科医、

と思って生きていこう。

 

微力ながら南側の国よりお祈りしています。ナマステ♥