婦人科便り204 困ったマダム④ 体重詐称 | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供、いつもありがとうございます。

 

女性の社会進出が少しずつ進んでいるものの

まだまだ、たまたま野郎の方が優遇されている!

と思わざるを得ない我らの国、ジャポン。

私が前任のビョーインに部長として着任した時

当時の管理者から

「あーよかった、ブスでなくて」

と言われたことは(私の)記憶に新しい。

ご本人は褒めてるつもりなので

モナリザのごとく微笑んでやり過ごしたが

今、当時のアイツに向けて一言いわせてもらえば

男医が部長で赴任してきても

「あーよかった、ブサメンでなくて」言うの?

言わないよねーーー爆

 

女子だけである。

仕事にすら

美醜が問題になるのは。

 

ま、そんなこんなで男性社会を生き残る術として

四方八方に気を使うマダム多数だとは思う。

何せメンズは女子の体重は40キロ台で

ウエストが60センチと固く信じているので(私調べ)

皆、それに沿うよう

24時間365日、知恵を巡らせているのではないか。

 

とはいえ

 

病院を受診するという

 

非日常に及んでまで

 

体重詐称を行うとは

なにごと?💢

 

病院で体重をお尋ねするのは

何もマダムを差別しようと画策しているのではない。

投薬や麻酔の匙加減を図るために

純粋に質量が知りたいだけである。

 

駄菓子菓子

 

男は得をしようと嘘をつき

女は身を守るために嘘をつく。

 

いつであったか

体重は65キロです、と言い張るぽっちゃりがいた。

私も若く、マダムがそんな大事な場面で

命をかけて嘘をつこうなどと夢にも思ってなかった。

当時はおおらかな時代で

自己申告の体重をそのまーんま

カルテに記載するくらいの大雑把さは許された。

 

誰も彼女の体重を実測することなく

するするとその日を迎えた我々

手術台に乗った彼女が、そのう、

想像以上に

 

でかかった。

一言で言えば

こんもり。

 

担当の麻酔科のセンセが

しきりと首を傾げ、

もっと大きい…んじゃないかな…

気のせい…かしらん

言い言いしてたのをあまり気にせず執刀

迫り来る脂肪と肉厚に阻まれ手術は困難を極めた。

 

はあはあしながら病棟へ戻り

担当のナイチンゲールに

「歩けるようになったら体重測定しといて!」

食い気味に指示。

翌日!体重測定したら!!

 

80キロやんけーーー白目

 

よもやの15キロ詐称ーーーごついー

 

これは私の長くも短い医者人生の中でも

最大にして最強の詐称事件でありました。

 

体重は単純に地球からどれくらい

引っ張られてるか、だけのことなので

命がけで見栄を張るのはやめた方がいいと思う。

嘘は人生の潤滑油ではあるが

すぐに真実がバレ、かつ健康を害するようなことが

あってはならない、と明記しておきます。礼