婦人科便り203 困ったマダム③ 酒 | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ありがとうございます。

 

先日上梓した困ったマダムシリーズで

各方面から「ごめんなさい」来たが

特定の方を指しているわけではないので

謝罪や反省の必要はない。

なんならあの記事を見て瞬間

「ごめんなさい」思た人は対象じゃないと思われ。

注意喚起は必ずしもその当人の反省を促さず

たいていは無辜の民に

ダイレクトに届いてしまうなり・・

無辜の民、自省心、つよ。すまんねー

 

注意し反省を促し、

ついでに心からの謝罪とやらも

頂戴したい、厚顔無恥的自己中心的

他の人のこと考えるのちょー苦手ー❤️の

ターゲットマダムは

あの記事を見て即、反省だなんて

決してそんなやわなメンタルを持ってない。

けだし名言(自画自賛)。

ま、大谷選手がご結婚された今

(おめでとうございますー)

何もいいことが待ってなさそうな今世

生きていくには何にも負けない鋼メンタル必須。

それはそれで喜ばしい。みんな生きてこ。

 

さて本題(正気)に戻ろう。

 

男がー

女がー

その他自認する性別がー

と言い出すといろんな方角から

素っ頓狂なメッセージいただくので

公には控えないとならないが

所詮、その体内の染色体と骨格、

それに沿ったホルモン環境で

医学的には2タイプにしか

性別は大別できないのでそれと言及するが

男性よりも女性の方がアル中にはなりやすい。

心は男です、言うても

そこらへんはどうにもならないので

刺激しないでおいてほしい。

 

その体の構造から

女性はアルコールに耐性がないため

体質的には「飲めない」人が大半である。

私の大好きな先輩のように

お酒飲めますか聞かれてお答えする「少々」が

ほんとは「升々」な

(お酒一升、二升の)人もいるにはいるので

そこらへんは個々の条件に

照らし合わせて考えるのだが

おおまかに言って

女性は男性よりもずっとずっと

アルコール漬けにならない方が健康でいられる。

 

大学病院でせっせと不妊治療に従事していた頃

毎回、遅刻してくる珍しいマダムがいた。

隣のコルポスコピー外来はなぜか

遅刻、ドタキャンが絶え間なかったが

こと不妊治療外来に関しては

時間を守るマダム・マドモアゼルが大半であったため

彼女はひじょーに目立った。

 

ところがしばらくして

彼女は何も、遅刻してるんじゃないことが判明。

病院の、しかも婦人科外来には

時間通りにたどり着いているんである

 

駄菓子菓子

 

不妊治療外来の、待合室の椅子の上で

大の字になっていびきをかいて

寝ていることが発覚した。

100メートル先から見ても判別可能の、

アル中である。

呼ばれても、熟睡しているため

マイクで自分の受診番号を

連呼されるくらいじゃ起きねえ。熟睡

ナースに探されて揺り起こされ、

よろよろしながら診察室に入ってくる。酒臭はんぱなし

 

もはや不妊治療

どころじゃなくない?

卵がアルコール漬けになってない?

(医学的根拠ゼロ発言)

 

なんかアルコールの臭いがするて思てたんよね~

とか同僚とぼやきあったが、

不妊治療にも妊娠経過にも

アルコールは大敵で

卵にも赤子にもタバコより影響が大きく

酒、絶対、ダメ

なのである。

 

そこは大学病院、精神科もちゃんとあるため

漏れなくアルコール依存症外来へご案内された。

 

ここでも新たな学びを得たまるぽこ。

診察室での観察のみならず

外来の待合室も丹念に見て回ることも

大事なんだな、と覚え

またレベルがアップしたのでありました。


…ん?なんか違うような気もするが。

まいっか。