医者も所詮、愚かでか弱いニンゲンだ、ということは
繰り返しこちらでお伝えしており
過度に期待もしくは失望しないよう日々警告しているが
一般ジョーシキでは考えられないような
すごい医者も確かにいる。
私が出会ったドクターで一番度肝を抜かれたのは
「お産だよ!と呼んだら
ネグリジェのまま来た」
という素っ頓狂な女医だった。あいやー
駆け出しのころは産直でなくても
お産や手術を経験するという上で指導医から
呼び出しを食らうものであるからして
最初の2~3年は常に臨戦態勢
どんなナマケモノであっても競うように頑張るものである。
・・・が、時々ちょっと適性が違うのではと
思われる若人が混じってくるため、
忘れがたくいつまでも記憶に残る。
シナリオのないドラマが生まれるわけであります。
毎年楽しみだよね。
件の彼女は荒くれどもが集う産婦人科にはちと雰囲気合わないね、の
ふわふわした感じの良い子であった。
性格はあくまで柔らかく腰も低く、
しかし目覚めは悪くて血圧低そうであった。
ちなみに私もいったん眠りにつくとなかなか起きれない
低血圧な女であり、寝ぼけていろいろしでかしているため
彼女には深く同情しております。
彼女の不幸は
「パジャマではなく、ネグリジェであった」という点と
「履いてきた靴下が、左右の柄が違った」ことである。
それが理由で伝説になっちゃったからね。
その後、ネグリジェ駆けつけ事件を
諸先輩方にさんざんからかわれたせいなのか
ほどなく他の科へ転向していった。さもありなん。
皆さんも若人がいろいろ春からしでかしても
決して揶揄してはならない。
誰でも最初は1年生
20年後くらいに偉い人になるかもしれないので
青田買いのつもりで接するように。