婦人科便り183 困ったドクター① | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

医者も所詮、愚かでか弱いニンゲンだ、ということは

繰り返しこちらでお伝えしており

過度に期待もしくは失望しないよう日々警告しているが

一般ジョーシキでは考えられないような

すごい医者も確かにいる。

 

私が出会ったドクターで一番度肝を抜かれたのは

「お産だよ!と呼んだら

 ネグリジェのまま来た」

という素っ頓狂な女医だった。あいやー

 

駆け出しのころは産直でなくても

お産や手術を経験するという上で指導医から

呼び出しを食らうものであるからして

最初の2~3年は常に臨戦態勢

どんなナマケモノであっても競うように頑張るものである。

・・・が、時々ちょっと適性が違うのではと

思われる若人が混じってくるため、

忘れがたくいつまでも記憶に残る。

シナリオのないドラマが生まれるわけであります。

毎年楽しみだよね。

 

件の彼女は荒くれどもが集う産婦人科にはちと雰囲気合わないね、の

ふわふわした感じの良い子であった。

性格はあくまで柔らかく腰も低く、

しかし目覚めは悪くて血圧低そうであった。

ちなみに私もいったん眠りにつくとなかなか起きれない

低血圧な女であり、寝ぼけていろいろしでかしているため

彼女には深く同情しております。

 

彼女の不幸は

「パジャマではなく、ネグリジェであった」という点と

「履いてきた靴下が、左右の柄が違った」ことである。

それが理由で伝説になっちゃったからね。

その後、ネグリジェ駆けつけ事件を

諸先輩方にさんざんからかわれたせいなのか

ほどなく他の科へ転向していった。さもありなん。

 

皆さんも若人がいろいろ春からしでかしても

決して揶揄してはならない。

誰でも最初は1年生

20年後くらいに偉い人になるかもしれないので

青田買いのつもりで接するように。