婦人科便り175 ホルモン補充療法への尽きない悩み | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ありがとうございます。

悩める乙女から心からの叫びを頂戴しましたYO

 

**********************

Q.

30代、卵巣も摘出と言われています。
不安なのが、卵巣欠落症状?はどのようなもので、

どう覚悟しといたほうがいいですか?
テープを貼ったりとホルモン治療すれば

欠落症状も大丈夫と言われてますが、

乳ガンになるリスクがあがることが嫌です。

一方で腟の悩み痛みも嫌でたまりません。

 

でもでも

そんな簡単にホルモン治療があるから

大丈夫なぞと楽観できなくて悩んでます。

(みんなそんなにイージーでいいの??)

↑ここはまるぽこ。が脚色したYO

 

A.

馬なら乗ってみよ

人なら添うてみよ

薬なら飲んでみて貼ってみよ

人生はイージーが一番

(末尾の2行はまるぽこ。作)

**********************

 

振り返れば30代

いろいろいろいろいろいろ・・・

悩み散らかしていたな~

医者で30代ってもろ、

「若手(ひよこ)」ですので

生活レベルはほぼほぼ奴隷

そんな自分がうっかり赤子を抱えちゃって

もう苦悩しかありませんでした。


懐かしい。

 

・・・んが!もはや私も先日20歳を迎え(矛盾)

何もかも突き抜け、修得した極意は

「まあ、なるようにしかならん」

なのであります。

基本的には

事件が起こる前に起こったらどうしよう、と

心配するのは体力・気力の無駄なので

ある程度の予防と知識と耐性を身につけたら

あとは「起こったとき考える、行動する」

と決めておけば

たいていのことは、

生きてさえいれば乗り越えられる!

と信じる。かーんたん。

とりあえず自分にもできそ~ぅ、おもたでそ。

 

卵巣欠落症状とは一般に

ほてり、めまい、頭痛、汗、不眠、いらいら

が初期の頃7~8年で起り

それを放置しておくと

やがて腟のちりちりとした痛み、腟からの出血

しわ、脱毛

へ移行していきます。覚悟しいや

 

手術で卵巣を二つとも摘出してしまうと

こういった症状が一気に来てしまうので

親切な主治医がご丁寧に励ましてくれているように

おとなしくテープなり、飲み薬なり、ジェルなりを

使ってみるとよかろう。

 

なぜならば、マダム、

あなたは以下の可能性をうっかり忘れている。

 

激烈な更年期症状に

我慢に我慢を重ねた挙句

更年期未治療でそのまま

乳がんになったら

どない思う?

(衝撃波 どーん)

不幸そのものじゃないか?え?

 

今や女性の8~10人に一人が

乳がんを発症している昨今

あり得ん話じゃないんだなこれが。

もちろん、かする程度も

乳がんに引っかかりたくないマダムや

お身内に不幸にも乳がんで

お亡くなりになった方をお持ちのマダムは

また別の話ではあるが

ごく一般的に考えれば

「いいとこどり」を目指すのが

普通の感覚なのではないだろうか。

 

その「いいとこどり」をギョーカイ用語で

慎重投与というが

マンモグラフィーやら乳腺エコーやら

必要な検査をクリアしつつ

この「人生」という

途中で棄権することや

リセットがなかなかに難しいゲームを

楽しくプレイしていいのではないか。

 

洗濯は全自動洗濯乾燥機

掃除はルンバ

婚活はアプリ

回覧板はLINEグループ

年賀状はスタンプ

映画はネトフリ・アマプラ

募金はさとふる

の、世の中だよ?


いいとこどりして

何が悪いの?

な・に・が・わ・る・い・の??

まるぽこ。わかんないー


起きてもいない不幸に

心を痛めるより

その心配する力を能登半島に注ぎ込め。全集中

私もそうする。

 

気張れ!健闘を祈る。礼