ご質問のお答え:ちょっと聞きたいシリーズ⑨ | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

個々の細かい案件は

基本、セカオピでお願いしたいと思っておるのですが

それは私が不親切であるから、でもなんでもなく

「個人の見解に開きがあり、

 どれがお勧めかは好みの問題で

 議論の余地が大いにあるから」

なんですが、このお尋ねはまさにそれ。

 

 

Q1. 

55歳2年ほど前に膀胱瘤になりました。
トイレに行くとある程度触れるものは

無くなるのですが、
玉子大程出ています。

最近硬いものにも触れるので子宮も出てる?

と思っています。
排尿も手で抑えて出る時と出ない時があります。
10年前に市の検診で軽度異形成が見つかり、
消えてまた軽度異形成になり、

昨年の暮れの検診ではまた消えていました。

骨盤臓器脱の手術をしたいのですが、

子宮をまるっと取ってしまうかどうかを迷っています。

 

A1.

なんで?

 

これは私がもしこちらのマダムの主治医なら

子宮を取るYO一点決め。他の選択肢を与えない。

残してもいい、と絶対に決して永遠に言わん。

 

なぜなら

引っ込んだとはいえ、一度でも異形成が出た子宮

怖くて残せない。いつなんどきまた

異形成が出るかもわからず

し~か~も

脱の手術をなんらかの方法でしてしまうと

腟がぐっと狭くなり検診しづらくなる可能性がある。

やだ

 

ちなみに、骨盤臓器脱の初回手術の

平均年齢は73歳(私調べ)。

マダムは55歳とかなりお若いので

できればペッサリーなどで

しばらく様子を見てもいいかもしれない。

骨盤臓器脱の手術はいずれの手術を選択しようと

ご本人が重いものを持つ働き者である限り

再発の可能性は「絶対に」ある。

人生100年時代、あと45年もある(絶望)。

手術をいかに一回で終わらせるかを考えると

ライフスタイルを「姫」とするか

(なんでも使用人に任せる)

できるだけ初回手術の年齢を高くするほか、

ないではないか。

 

ただ、幸せなことに、脱は再発しても死なない。

もちろん各方面に面倒ではあるが

命を奪うような病気では決して、ない。

また下がってきてもしょんぼりしつつ

もう一度手術を検討しさえすればよいので

気楽に手術を受けてみる、という考え方もある。

今、困っているなら、

今、したらええ。とも思います。どっちやねん

 

以上ごくごく個人的な脱への

熱い思いでございました。

ご参考までに。

ま、良性疾患は基本、

好きにしたらええ、思います。

 

 

Q2.  肥満の人は閉経が遅い、

  子宮体癌に、肥満の人が多いってのは
  本当ですか?

 

A2. ほんとだYO→子宮体がんに関取多い

   都市伝説だYO→関取は閉経遅い

 

子宮体がんの危険因子として

肥満、高血圧、処女(もしくは子供が少ない)、

糖尿病、があるのは国家試験レベルなので

今この時期にこれを知らなかった

医学生はマジでやばい。

医学部なんぞ、医師免許を取れなかったら

全くつぶしが効かず、

その6年間が無駄以外のなにものでもなくなるので

心して勉強するよう進言したい。

あとちょっと。がんばり。

 

一般に、小太りの人は閉経が遅い、と言われるが

それは脂肪も弱い女性ホルモンを作るため

症状があまり出ないことに起因すると思われる。

女性ホルモンはよ~く見ると、

「ステロイド骨格」という

コレステロールと同じ分子構造を持っているため

体の中での作成工程はよく似ている。

ただ、卵巣の寿命、というのは

体重に寄らないので、子宮体がんとの関係とは違い

都市伝説あるごめとりーレベルだと思います。

(大好きですYOあるごめとりー

 時々えぐいけど)

 

以上、現地からお伝えいたしました。