ネタ提供ありがとうございます。
子宮頸がん検診についてお尋ねが
多数寄せられております。
婦人科で健診するならともかくとして
健診センターなんかだと
結果の詳しい解説とかしない印象なんで
まとめて解説しておきますね。
子宮頸がん検診は、子宮の入り口の細胞を
綿棒もしくはブラシで擦って採取
ガラスの板(プレパラート)に塗り付け
パパニコロウ染色、という
特殊な染色方法で染め染めして
「資格を持った人間」が顕微鏡で見て診断しています。
ひと昔前までは、判定は
クラス分類で、Ⅰ~Ⅴまで5段階に振り分けていました。
・・・んが、資格を持った人間というのも所詮人間
迷うこともあれば間違うこともある。
そこで分類を新しく見直したのが
ベセスダ分類、という
資格を持った人間の迷いを吸収すべく
立ち上げられた分類が作られました。
ベセスダ分類では、大まかに4段階に分けています。
①NILM:Negative for Intraepithlial Lesion or Malignancy
②LSIL:Low Squamous intraepithlial Lesion
③HSIL: High Squamous intraepithlial Lesion
④SCC : Squamous Cell Carcinoma
ギョーカイで
LSILはエルシル、HSILはハイシル言います。
そこらへんはどうでもいい。試験には出ない。
①は大丈夫、また来年健診に来てね
②は軽度の異常(軽度異形成)の可能性、精密検査へ
③は中等度から重度の異常(中等度~高度異形成もしくは上皮内がん)の可能性
精密検査、下手したら治療
④は誰が見てもがん、さっさと病院へ行け
の、意味です。
それに加えて、
⑤ASC-US: Atypical squamous cells of undetermined significance
通称:アスカス
⑥ASC-H: Atypical squamous cells, cannot exclude high-grade Squamous intraepithlial Lesion
通称:アスクエイチ
は、それぞれ
⑤ようわからんけど、軽度の異常があるかもしれない。
でも気のせいかもしれない
⑥ようわからんけど、中等度以上の異常があるかもしれない。
でも気のせいかもしれない
の解釈です。
つまり、人間の「自信はないけど、気になる」というのを
検査に反映させることができる分類なんですね
→ベセスダ分類。
人間の「胸騒ぎ」は
現代の科学技術では解明できていないが
このギョーカイ、
数々の「根拠のない胸騒ぎ」を無視しなかったことで
危険を回避し、事なきを得た経験が
長いお勤め中、幾度となくあるはず。
少なくとも私にはある。
外れもあるけどNE♡
また、子宮頸がんは95%くらいが
扁平上皮がんでして
つまり組織の一番表層に
がんが発生する傾向にあるのですが
残り5%くらいに腺の部分に
がんができることがあり
こちらの扁平上皮ではなく、
腺の部分に異常があるかもよ、ってのが
⑦AGC:atypical gandular cells
と表記されます。
ただ、子宮頸部と子宮体部は国境を接していますので
子宮体部から細胞がこぼれてきただけなのか
それとも子宮頸部の細胞そのものなのかは
さらなる検索が必要です。
これでがん検診の結果が
解説されずともわかるはず。
アルファベットを確認し、どれだったか見てみそ。
長くなるので次回に続きます。