婦人科便り170 子宮頸がん検診② | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

子宮頸がん検診の目的は

はっきり言うてしまえば

 

ちょっとでも

おかしい思た人を

ピックアップし、

病院にたどり着かせる


ことです。

正しい診断を付ける段階じゃなく

広く浅く、健診やなくて病院で

検査したほうがいいマダムを

選別するために検査する、

というのがそもそもの趣旨なんですな。

よって割とより重症に判定しがち。

病院に行ってもらいたいからさー

 

寄せられたネタの中に

「診断がその都度違って困る」

というのを拝見いたしますが

上記趣旨かつ、「人間のなせる業」

とご勘弁いただければ・・・

もちろん

通知受け取る→仕事の都合を確認

→有休申請→病院の予約取る

→電車に乗る→病院で受付する

→待合室で待つ→婦人科の先生に会う

という四方八方にめんどくさい手間暇を考えると

 

一発で正しく

診断せんかい。怒

 

の、気持ち、すごくわかる。

 

しかもこの間の→の部分に

子供が熱出したり、

日程がご主人の出張と重なっちまったり

ママ友と喧嘩したり、

突然お姑さんが病院に行きたい言うたり

上司が機嫌悪かったり、

という諸事情は加味されていないため

実際の手間暇100万倍ということも

想像に難くない。ごめん。

しかもその日に限って雨だったりするよねー

ただ、婦人科の先生に会う、の後に

マダムのたしなみとして

おされなカフェでパフェ食べる、とか

行ってみたかった雑貨屋さんに寄る、とか

余白に入れて自分の機嫌を取ってくれたまえ。

たまにはええやろ

パフェくらいで機嫌が直らん言う人は

おされなブラジャーでも試着して気分をUP

 

子宮がん検診のあるあるは

NILMとASC-USの結果が不安定

ASC-USとLSILの結果が不安定

つまり、ASC-US

(ようわからん、他の検査もして確認してちょ)を

結果を出す側がうまく使ってる舞台裏事情。

結果がうまく安定しないのを

ギョーカイ用語で

「結果の相違 discrepancy:でぃすくれぱんしー」

と言いますけども、そんなときは

ハイリスクヒトパピローマウイルス検査をして

子宮頸がんになりやすいウイルスに

罹患していないかどうか、で

今後の治療や経過観察♡

するかどうかを決めていきます。めんどう

 

さらに心配な時は

でっかい虫眼鏡で子宮頸部を

じっくり拡大しながら観察しつつ

(コルポスコピー)

頸部ねらいうち組織診をするのでがすが

これがまた、なかなかどうして

ちゃんと「ね・ら・い・うち♡」by 山本リンダ 

が難しいんですYONE

病理の先生に

「ちゃんと組織が取れてなかったで 怒」とか

怒られたりもしておりますので

狭い範囲の異形成なんかは「ただしく診断する」が

正直、難しいのかもしれないです。

よっていろいろと検査を組み合わせ、

時にマダムの勘

時に主治医の老婆心

を合わせつつ、

がんだよとかいう、不埒な決定打が出ない限り

みんな大好き経過観察♡を

続けるほか、ない気がします。