ご質問のお答え:ちょっと聞きたいシリーズ② | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ありがとうございます。

 

ちょっと聞きたいシリーズ

つまり小ネタ集をお送り。

 

Q1. MRI検査で病気は大体わかりますか?

 

A1. わかるものもあればわからないものもあります。

 

ここでおさらいしておくが

MRIとCTの違いを大雑把に言うと

MRIは磁石の力でお腹の輪切りを見る方法で

CTは放射線の力でお腹の輪切りを見る方法。

なんのこっちゃ

うんたらかんたら原理はまあ、横に置いといて

MRIは撮った画像は質的な評価ができる、と言われる。

絵画に例えると、MRIは水彩画で、

濃淡で硬い、柔らかい、などがある程度わかる。

一方CTは絵画で言うなら「ミッフィーちゃんの絵」

分かりやすく色が塗り分けてあるが、

質感はわからないよね?

でもあるか、なしかがはっきり分かる。

 

つまり撮影する側は、

これらを使い分ける必要があります。

 

MRIは質感までわかるので、

がんなのかそうでないかも調べることが

ある程度可能ですが、いかんせん、撮影時間がかかり

呼吸や心拍、腸蠕動で画像がぶれるため

狭い範囲しか撮影できません。

一方CTはさすが放射線、

あっちゅう間に撮影可能で

画像もはっきりくっきりしている。

そして最大の武器は、頭の先からつま先まで

秒の単位で撮影できるため

全身検索に適しているところ。

しかし、何かがあっても「何か」まではわからない。

 

なので、病気があるのでは?と思ったとき

そしてかつ、それがどこにあるのかわからないとき

CTでざっと検索して、次に怪しいところに焦点をあてて

MRIを撮影することになります。

また、画像の切り方も3~5ミリと

撮影条件でそれぞれ幅があるので

それらを十分考慮して

検査の方法を決める必要があるわけだ。

 

画像は嘘をつかないが

どこに焦点を当てるか?で

解釈が変わってくるので

ある意味恐ろしいと言えば恐ろしい。

あまり過度に画像の結果を信じすぎないことだし

撮影したから大丈夫、とは言えないのであります。

 

ちなみに超音波検査は魚群探知機。

ざっぱにしかわからないので

あれで分からなかった、やぶ医者や!

とかクレーム寄越さないように。迷惑

 

Q2.  術後はどれくらいの運動をしたらいいですか?

 

A2.  基本的に、目標は術前の運動量に戻すこと。

   間違っても急にエアロビクスとか

   筋トレとか始めない。

 

術後、「生まれ変わった自分❤」とばかりに

いろいろ始めるマダム多いが、

術前にそんなに活動量が高くなかった人が

急に何かをし始めると

いわゆる「年寄りの冷や水」で風邪をひいたり

膝を壊したりしがち。

術前にしていた運動量に戻すことを目標に

まずは散歩からしてみたらどうだろう。

ちなみに毎日3000歩歩くことで

ボケ防止になるらしいし

8000歩までは歩数に比例して

寿命が延びると言われているそうな。

(By.うちのオット)

デマだったらごめん。

 

人間、二足歩行になっての有史以来

足底刺激というのは健康の源となっておるので

二本の足で歩くこと、は各方面で生きることに

必須と思われる。

開腹術などされた方はなかなか

創に響いてお辛いだろうが

お腹に手を添えつつ、ちょっと化粧品でも買いに

デパート一階付近を徘徊してみることをお勧めする。

ちょっとした発見があるやもしれないし

ないやもしれない。

やらない後悔よりやった後悔

がんばろ、お互いに。