追悼 | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

頑張り屋さんの彼女が亡くなった


四人のお子のお母さんで

美容形成外科の医師である彼女

タチの悪い組織型をもつ

子宮頸がんが彼女を襲って、もう4年になる


一度もお会いしたことはない。


こちらが勝手に

彼女のブログの読者になっているだけで

知り合いでも友達でも先輩後輩でもないのだが

刻々と迫るお別れの日

手に取るようにわかる彼女を襲う健康上の不幸

それでも

美しく、強い彼女に奇跡を祈る気持ちで

先月から途絶えた彼女の記録を追って


悲しい…


神様は時に残酷で

ぜひこの世にいて欲しい人を

いとも簡単に奪っていく。

そして残された人間が

どのように悲しみにくれようと

時間をどんどん進めていく。

彼女がいなくなった世界は

もう完璧ではなくなったというのに。


それでもまだ私が

この試合から降りるわけにはいかないことが

今日はとても悲しい


今日、外来もオペもある

犬の散歩もご飯の支度も洗濯もある

今までもこれからもいつだって

悲しむ時間も立ち止まる暇も

私にはないんだねえ


おちつけ

わたし