無(最高の状態) | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

書店に久々に行ってみると

無(最高の状態)』という本が

目に入ってきました。

 

 

まだ購入していないのですが

気になっているところです。

 

おそらくビジネス書の部類に

入るのだと思いますが

 

近年は、マインドフルネスをはじめ

仏教的なものの捉え方や心のあり方を説く

ビジネス書が多く出版されているように思います。

 

この本は、サイエンスライターの方が著者で

帯には、仏教でよくいわれる「無我

という文字が見られます。

 

想像するに

自我的な観念を離れ、無我な心を身に付け

様々な困難や問題にも毅然と対処できる

 

そのような力を養うための

内容が説かれているのだろうと思います。

 

人の苦しみは、どのようにしてやってくるのか

それに対してどうやって対処すべきなのか

などについて最新の科学的知見を駆使して

解説してくれるものと思います。

 

仏教では、同様のことを瞑想や様々な行を

通じて、苦しみの原因やその対処法を

説いています。

 

仏教書となると手が出にくい人にとっては

手に取りやすいものといえます。

 

この類の本が多くみられるというのは

悩みや苦しみを抱えていても

それを口外できなかったり

解決の方法がわからないという人が

多いということの証左なのでしょうか。

 

結局、いつの時代においても

人の悩み苦しみがなくなることはなく

その都度、その解決を手助けしてくれる存在が

必要とされます

 

これまでの時代は

主に宗教者だったのかもしれませんが

 

今では、心理学をはじめとする

科学研究を専門とする人や、あるいは

スポーツやビジネスの場で多くの困難を

乗り越えてきた人であっても

そういった存在となりうる時代です。

 

僧侶としては、自らの経験をもとにし

また、異分野の方々の体験や言葉を参考に

人々の悩み苦しみを解決する手立てを

常に考えていくことが求められそうです。

 

南無大師遍照金剛

 

吉祥院(茨城県石岡市)(@kichijoin_manizan) • Instagram写真と動画

 

吉祥院副住職, 興健|note

 

8月28日に瞑想会を行います。

ご予約は以下からお願いいたします。