カラスウリ | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

先月の話ですが、
境内の周りを散歩していたら
真赤に熟れたカラスウリを見つけました。

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(森に実るカラスウリ)


カラスウリは、
カラスが好む真赤な実ということで
その名が付いていますが、
実際は鳥も好まない味とも言われます。

インターネットで調べると、
カラスウリを食べようとした人の報告が
多数みられますが、

どのような調理をしても
なかなか食べれるような味に
ならないようです。


カラスウリには、
仏教につながる特徴が2つあります。

1つは、その実の様子です。

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真赤に熟れた実は、
ビンバ(頻婆)のそれに似ていると
言われています。

仏陀の持つ固有の特徴は
三十二相八十種好と
言い伝えられていますが、

その中で仏陀の唇は
真赤に熟したビンバに
例えられています。


2つ目は、カラスウリのタネの形です。

カラスウリのタネは、
カマキリの頭に似ている
と言われていますが、

一方で、
打ち出の小槌を持った大黒天
に似ているとも言われています。

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(カラスウリの熟れる前)


このように、
仏教との関わりもあるカラスウリですが、

仏教と関わらないところでは
花言葉と花の特徴も興味深いです。

まず、カラスウリの花言葉は
「良き便り」。

タネの形が結び文にも見えるとこのとで
そのような花言葉と言われます。

次に、花の特徴ですが、
カラスウリの花は
白い花の周りに
沢山の毛のようなものを生やした、
なんとも不思議な格好をしています。

また、夜に咲くと言われており
どことなく不気味な印象を持ちます。


このように、
好印象と不気味な印象を合わせ持つ
カラスウリ。

とても不思議な植物ですね。