筑波山 | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

先日、筑波山に登りました。

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登ったのは、御幸が丘コース。
写真の右下の鳥居から
山頂まで登ります。
(小さくて見えにくいですが、
   山の麓にある赤いものが鳥居です。)


筑波山の高さは800メートル程ですので
大して高くはありませんが、
登山道はご覧の通り
木々の根が剥き出しになっており
とても歩きにくいです。

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しかし、木漏れ日を浴びながら
根を見つめ淡々と歩く時間は、

忙しい日々を忘れられるだけでなく
自然の織り成す情景に驚かされ、
木々の生命力を一身に感じることが
できます。

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筑波山は、
昔から人々に馴染みある山で、
万葉集には筑波山にまつわる歌が
25首も掲載されています。

その数は富士山より多いと言われ、
筑波山が  当時の人々の生活に
彩りを与えていたことがわかります。


鎌倉時代の小倉百人一首にも
筑波山にまつわる歌が含まれています。

「筑波嶺の  嶺より落ちる 男女川
           恋も積もりて  淵となりぬる」

筑波山の峰から流れる男女川。
はじめ細く流れていた川は
山の麓にいくにつれ太く勢いが増し
最終的には桜川に合流し
さらに太くなります。

その様と恋心を重ねた歌です。

はじめは小さかった恋心が、
男女川の如く
徐々に太く深くなる様子を
歌っているのです。


さて、そんな男女川山頂付近の様子が
こちらです。

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この細い一本の水の流れが、
太い川へと続きます。

この様子をみて恋心を詠んだ陽成天皇は
きっとロマンチストなんでしょうね。


山頂からの写真です。

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ロープウェイでも登れますので
ぜひお試しを。