四諦、八正道 | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

四(聖)諦は、仏教において中心的な教えです。

これは、お釈迦さまの最初の説法の内容であったと

いわれます。

 

四諦は、苦・集・滅・道の4つの諦からなり、

苦諦・・・人生とは思い通りにならず、苦であるということ

集諦・・・その苦の原因は欲を引き起こす煩悩が起ってくる

からであるということ

滅諦・・・煩悩を抑制すれば、涅槃という境地に至ることが

できるということ

道諦・・・涅槃に至るための修行の道があるということ

というようになっています。

 

この中で、道諦では八正道という、8つの実践道が説かれます。

1.正見・・・正しく物事を見ること

2.正思・・・正しく物事を考えること

3.正語・・・正しい言葉を語ること

4.正業・・・正しい行いをすること

5.正命・・・正しい生活を送ること

6.正精進・・・努力すること

7.正念・・・正しく思念すること

8.正定・・・正しい瞑想をすること

 

ここには、修行者自身が正しい見解をもち、

正しく生きることなどを誓い、お釈迦さまの教えを

身に付けるための努力をする修行の枠組みが

示されているとされます。

 

特に1の正見による、物事の正しい見方が重要で、

それにもとづいてこそ2から8の修行が意味を成します。

 

十善道の不邪見は、間違った考えをもたないことで

ありましたが、仏教においては、正見などによって

物事を正しく捉えることが非常に重要になります。

そこで、誤った考えをもったまま修行に努めても

悟りへは至れないということでしょう。