吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

8月のお盆の時期が過ぎ

お彼岸も終わりました。

 

そうこうしているうちに

猛暑は去って涼しくなり

台風の心配はまだあるものの

過ごしやすくなってきました。

 

10月に入り

2024年の終わりも

見えてきました。

 

さて、今月も

写経会、瞑想会を

開催いたします。

 

日程は以下の通りです。

 

・・・・・・・・・・・・

 10月27日(日)

 11月30日(土)

 

両日とも

  写経会

   15:00~

  瞑想会

   16:00~

           となります。

 

ご予約はこちらからお願いいたします

予約内容の選択|吉祥院リンクairrsv.net

 

・・・・・・・・・・・・

 

涼しくなり

写経、瞑想ともに行いやすい時期と

なってきました。

 

初めての方でも

気軽にご参加ください。

 

南無大師遍照金剛

 

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人を導いていくことは

難しいことだと感じます。

 

仏教では

阿闍梨(あじゃり)という

師となる僧侶によって

弟子は導かれます。

 

師である阿闍梨は

仏と同等の智慧と慈悲が

備わっていないとなりません。

 

現実にはそれが難しいのですが

少なくとも宗派の教理的には

そういうことになっています。

 

仏の智慧というのは

この世界をありのままに

正しく見ることのできる

ということです。

 

これがないと

適切な導き方ができません。

 

一般社会においては

先生が生徒を

上司が部下を

親が子を

導いていくことがあります。

 

人はそれぞれが

自分の物語の中に生きていて

多くの場合はその経験から出てくる

導き方をすると思います。

 

それが功を奏すことも

多々あるでしょうが

少し客観視することも

必要でしょう。

 

導く側の人が

自分が苦しんだから

そうならないようにと

何かを教えるとします。

 

確かにそれで導かれた方は

その苦しみを感じずに

済むかもしれませんが

 

逆に言えば

その苦しみを味わったからこそ

得られる何かを得ることが

できないかもしれません。

 

あるいは、導かれる側の人も

それぞれですから

釈尊が対機説法をしたように

人に応じた導き方が重要だといえます。

 

一般的な話としては

自分自身の視点や経験から

現れてくる教え、導き方があっても

状況などを一度客観的にみてから

それを実践することが重要なのではないかと

思います。

 

「方便を究竟とす」

という経典のことばがあります。

 

方便は方法、手だてという意味ですが、

正しいところへの方便(導き方)が

非常に重要だということは

 

仏教修行にしても

社会においても同じであろうと思います。

 

南無大師遍照金剛

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次回イベントは

 10月27日(日)

 11月30日(土)

           に開催いたします。

 

両日とも

  写経会

   15:00~

  瞑想会

   16:00~

           となります。

 

ご予約はこちらからお願いいたします

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僧侶がビジネスマンに

向けて教えを説いている場面を

たまに見ることがあります。

 

やはり仏教の世界観や

修行者としての心のありようは

現代の一般人にとっても

有益なものがあるのでしょう。

 

その中で

1つ挙げられるのは

戒律でしょう。

 

仏教では古来

サンガと呼ばれる

出家修行者や信者の集団を作り

活動をしてきました。

 

集団や組織を健全に維持するためには

様々なルールが必要となりますが

仏教教団(サンガ)にとっても

同じです。

 

戒律によって

健全な運営が保たれてきました。

 

そのような戒律の部分が

組織運営に活かせるのかもしれません。

 

ところで、戒律とは離れて

良い組織を作り上げるためには

人と人との関係性を

どうするかが重要です。

 

互いに高め合うということを意識すれば

それが相乗効果となって

個人のレベルが高まり

全体としてもレべルの高い組織となることが

予想されます。

 

真言密教の教えでは

みなが自らの悟りの心に目覚め

智慧と慈悲の行いをすることで

個々の関係性に有機的な効果が生まれ

理想の世界が実現するという考え方が

あります。

 

その意味では

高いレベルを求めたい人たちにとっては

真言密教の教えは

ためになる部分があるかもしれません。

 

一般的な感覚として

組織の中の人たちが

他者の良くない部分を指摘し合える

関係であれば、より良い組織になっていく

ということは言えそうです。

 

ただ、その場合には

指摘された人が

指摘した人に対して

 

「自分もできていないくせに」

という捉え方をしてしまったら

逆に雰囲気の悪い組織となってしまうでしょう。

 

自分はできていなくても

客観的に他者を見ていると

気になる点はたくさん見えてきます。

 

それを素直に指摘し合えたら

きっと高め合う関係が

できるのだ思います。

 

しかし、自分ができていないのに

よくそんなことが言えるなと

感じるのがふつうの人ですから

互いに高め合うという関係の構築は

簡単ではありません。

 

真言密教を教えからいえば

まず自分の菩提心(さとりの心)

目覚めることが重要です。

 

まずそれに目覚めてから

他者へのはたらきかけ(利他)

がなされると考えます。

 

やはり

自らが高いレベルに達してからでないと

他者を高めたり導いていくことは

できません。

 

高い理想を求めるのは

大切なことですが

それを他者にも求めていくには

様々なハードルがあると

仏教からも言えそうです。

 

南無大師遍照金剛

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次回イベントは

9月22日(日)に開催します

 

写経会

 15:00~

瞑想会

 16:00~

 

ご予約はこちらからお願いいたします

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写経会・瞑想会のご案内 

 

9月22日(日)

 

写経会 15:00~

瞑想会 16:00~

 

となります。

 

はじめての方でも気軽に

ご参加いただけます。

 

ご興味のある方は

お申し込みください。

 

以下からアクセスし、ご予約ができます。

↓↓

予約内容の選択|吉祥院リンクairrsv.net

 

 

南無大師遍照金剛

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ある人が暗闇の中で

何らかによって傷つけられた。

 

その人は

きっと毒蛇に咬まれたに違いない

と考えた。

 

そうだとすると毒が体中に回って

死んでしまう。

 

良医に診てもらうと

その医者は

毒蛇による傷だということを疑い

傷を作った場所を確認しに行った。

 

灯りによって照らしてみると

そこには鋭利な形の宝石があり

それに血塗りが付いているのを

確認した。

 

すなわち、その医者は

傷を負ったその人に

毒は回っていないことを知り

しかも、宝物を手にしたことに

大喜びすることとなった。

 

『大日経疏』には

以上のような話が示されています。

 

続いて

 

これと同じように

修行者は正しい智慧によって

物事を把握することが大事である

ということが示されています。

 

暗闇を照らす明かりのように

目に見えていない、自覚していない

煩悩を観察する心を養うことの

大切さを表すお話であります。

 

 

南無大師遍照金剛

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次回イベントは

8月25日(日)に開催します

 

写経会

 15:00~

瞑想会

 16:00~

 

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  次回の吉祥院でのイベントの案内です

 

7月25日(日)

 

写経会 15:00~

瞑想会 16:00~

 

となります。

 

はじめての方でも気軽に

ご参加いただけます。

 

ご興味のある方は

お申し込みください。

 

以下からアクセスし、ご予約ができます。

↓↓

予約内容の選択|吉祥院リンクairrsv.net

 

 

南無大師遍照金剛

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何事のおはしますをば知らねども

かたじけなさに涙こぼるる

 

という西行法師の詩があります。

 

伊勢神宮で詠んだものとされます。

 

ある先生の言葉によれば

ここに日本人にとっての宗教観の原点が

込められているといいます。

 

仏教の教えを学んでいると

仏教の歴史や

「空」とか「縁起」といった理論が

大事であることを知ります。

 

つまり、

お釈迦様という偉大な方が

真理をお悟りになって

その内容を弟子や信者に説き

 

そのうち教団が形成され

お釈迦様亡き後は

様々な展開を見せ

ついには日本にも伝わる

という歴史があり

 

すべての物事は関係に中にあって(縁起)

自分というのは他者との

つながりの中にある(無我)

 

それゆえにすべての物事は無常であり

思い通りにはいかない

といった理論としての教えがあることを

知ります。

 

このような仏教が伝わる以前から

わが国には八百万の神を信仰する

宗教観がありました。

 

その日本人の原初の

宗教観が最初に挙げた詩に

現れているというのです。

 

何がここにあるのかは

わからないけれども

ただ、畏れ多い気持ちが生まれて

涙がこぼれてきた。

 

様々なものに神様が宿っていて

特に山などの自然=神に対する畏敬の念を

大切にしてきたのが日本人だと

思います。

 

仏教の教えは

頭で理解しようという

論理的な部分が強調されがちです。

 

しかし、何か大自然に対する

体の奥から生まれてくる

畏れ多いとか、感謝の念を

古来の日本人は大切にしてきました。

 

このような感覚、宗教観を忘れては

仏教の有難い教えも活きてこないのではないか

というのが、かの先生の主張であると

思います。

 

もちろん、

仏像の姿を目の当たりにした時には

多くの人は自然と合掌すると

思いますが

 

大自然などの身の回りにある物事に

対しても感謝の念や畏敬の念をもって

過ごしていくことは

仏道を歩む上でも大事なことだろうと

思っています。

 

 

南無大師遍照金剛

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次回イベントは

8月25日(日)に開催します

 

写経会

 15:00~

瞑想会

 16:00~

 

ご予約はこちらからお願いいたします

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吉祥院のイベントのご案内です。

 

7月28日(日)

15:00~ 写経会

16:00~ 瞑想会

 

を開催します。

 

もちろん、どちらかのみのご参加でも可能です。

ご予約は以下のリンクからお願い致します。

予約内容の選択|吉祥院リンクairrsv.net

 

 

南無大師遍照金剛

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音楽から学ぶことは

多いなぁといつも

感じています。

 

日々生活する中で

 

大人であれば

仕事で一生懸命に取り組んでいること

あるいは趣味として力を入れていること

 

子どもなら

勉強や部活、好きなことに

熱中して頑張っていることが

あると思います。

 

その中で

幸福感を感じたり

喜びを感じたりすることもあれば

 

落ち込んだり、悩んだり

やる気がなくなる出来事に

あったりします。

 

ポジションな方は良いのですが

ネガティブな心の状態になると

厄介です。

 

そんな時に役立ちそうな

歌詞に出会いました。

 

  情熱に幸あれ

  若気の至りもくべようぜ

  水差されたことに

  気付かないほど燃やせばいい

 

  情熱に幸あれ

  向かい風 それすら飲み込んで

  辺りを照らせたら

  笑顔が幾つも見えるだろう

 

人はただ生きているだけではなく

誰しもが情熱や何らかの意欲や意志をもって

生きています。

 

ただ、その中で

時には水を差されてしまうことがあります。

 

あるいは、人によっては

些細な出来事で

そのやる気がそがれてしまう

ということがあります。

 

この歌詞は

そんなときに力を与えてくれるのでは

ないかと思います。

 

自分が今取り組んでいること

やるべきことに対しての

熱や意欲がないからこそ

外部の物事に惑わされてしまう。

 

逆に、惑わされないようにするためには

今自分が頑張っていることへの

情熱、意欲をもっと高めるように

意識すればよい。

 

そのような教えとして

受け取れるのではないでしょうか。

 

南無大師遍照金剛

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次回イベントは

7月28日(日)に開催します

 

写経会

 15:00~

瞑想会

 16:00~

 

ご予約はこちらからお願いいたします

予約内容の選択|吉祥院リンクairrsv.net

 

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常陽藝文センターという施設にて

教養講座を担当しています。

 

はじめてから

2年が経ちました。

 

有難くもこれまで継続で

受講されている方も含め

8名の受講者の方々がいらっしゃいます。

 

講座のテーマは

「仏教を学び、写し、唱える」

と題しています。

 

『般若心経』や『観音経』の教えや

その他、様々な仏教の教えを学び

写経し、最後にお経を唱える

 

という内容の講座となっています。

 

昨日も講座があり

そこでは『般若心経』でも説かれる

「空」についてお話をいたしました。

 

空は

「空っぽ」とか「~を欠いている」

といった意味の言葉で

 

コップが空っぽとか

部屋に人がいない

といった時に使われます。

 

それが仏教思想では

物事には固有の本質は存在しない

という意味で用いられます。

 

われわれは

物事に名前をつけることで

何らかの固有の本質を

もたせます。

 

テーブルという名前をつけることで

それを食事をするのに

使うものとなります。

 

しかし、同じものであっても

「机」と名付けることになれば

それは勉強に使う場となります。

 

また、それを「台」として

電球を交換するのに使うことも

あるかもしれません。

 

そのことを「空」といいます。

 

固有の本質はなく

名前や役割は仮にあるだけです。

 

あるいは、奈良にある長谷寺は

現在は豊山派の総本山の寺院です。

 

真言宗豊山派の管長猊下が

能化としておられ

年中行事が行われ

豊山派の僧籍を得ようという若い僧侶が

修行する場でもあります。

 

しかし、歴史を遡って考えてみると

飛鳥時代に創建、その後に

本尊の観音様が建立されたとされます。

 

当初は東大寺などの傘下にあり

観音様への厚い信仰を集める寺院であることが

知られます。

 

そのようなお寺に

專誉僧正という真言宗の僧侶が

入られたのは戦国時代のことです。

 

それから、長谷寺は

真言宗の寺院となり

今の形があるわけです。

 

そのように考えると

長谷寺は真言宗豊山派の寺院であるという

固有の本質はありません。

 

現在そのような特徴をもっている

というだけであり、

過去から未来に向かってずっと

それが保存されているわけではありません。

 

空なのです。

 

以上のように

この世のあらゆる物事は

「空」の存在です。

 

自分自身もそうです。

一時的に体と心が合わさった

仮の存在であるといえます。

 

ですから、変わらない体を求めたり

何かにこだわる心というのは

「空」を知らず、執着していることであり

煩悩である、ということになります。

 

そのように空であり

ある意味、幻ともいえるこの世界ですが

幻である中で、どう生きて行くか

重要なことになります。

 

空であり、無常であることを

知ったうえで

どう生きて行くのか。

 

何か人生の意義を見つけて

生きるのも1つですし

快楽を求め続ける人生も

1つといえます。

 

仏教では、慈悲の心を起こして

他者の為の行い、すなわち利他行を行い

徳を高めていくという生き方を

提唱します。

 

善い行いによって徳が高まれば

来世では極楽に往生できるかもしれません。

 

また、情けは人の為ならず

といいますが、

他者の為になることは

自分の悟りにつながっている

という自利利他の理念もあります。

 

このような仏教的な生き方は

論理的には理解できない部分も

あろうかと思いますが

 

「空」の理論は

どんな生き方をしようとも

それなりに意味をもたらす

考え方だと思います。

 

こんなような内容を

藝文センターでお話をしています。

 

もちろん、講義だけではなく

写経の時間があり

最後には『般若心経』を皆で

唱える時間もあります。

 

それをすべて合わせて

受講者の方々の心が調う場となればと思い

講座を担当させていただいている次第です。

 

南無大師遍照金剛

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次回イベントは

6月30日(日)に開催します

 

写経会

 15:00~

瞑想会

 16:00~

 

ご予約はこちらからお願いいたします

予約内容の選択|吉祥院リンクairrsv.net

 

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