中道改革連合のいう中道とは
今年1月に中道改革連合という政党が生まれました。衆院選に向けて立憲民主党と公明党の議員が結集した政党ですが、衆議院のみで参議院や地方議員は合流しないとのことです。党の発表では対立や分断ではなく対立点を見極めて合意形成を積み重ね生活者ファーストを進める政治を中道政治というとの旨が述べられています。また、多党化が進み政治が揺れ動く時代にあって極端主義に立ち向かい不毛な対立によって社会が分断されないように政治改革を進めていくともされています。ここでいう中道は政治的なスタンスを表す語でありますが元は仏教用語です。仏教でいう中道はいつくかの捉え方がありますがまず重要なのは相互に矛盾し対立する2つの事柄から離れるという意味です。この意味では、中庸と同じような意味といえるかもしれません。物事のバランスが取れていてどちらにも偏ることない状態のことです。また、中道の実践は八正道を行なうこととされています。正見正思正語正業正命正精進正念正定の8つの実践です。以上は原始仏教以来に中道の基本的な枠組みですが、大乗仏教になると違った解釈が現れます。大乗仏教になると、中道は「空」思想と関連しあらゆる見解を離れることという意味にも理解されます。普遍的に固定化されたものは存在せずすべては関係性の中で成り立つとすることを中道と表現します。「長い」は「短い」との関係によってのみ成り立つ概念です。あるいは「親」は「子」との関係によってのみ成り立ちます。さらにいうと先ほどの八正道の教えさえも中道的に言えば「空」であり実体のないものとされてしまいます。別の言い方をすれば教えは此岸(迷い)から彼岸(悟り)に至るために役立ってもそれ自体は実体がなく悟った後はその教えからも離れることになるということになります。なんだか難しい話になってきました。大乗仏教の「空」思想にもとづくと仏教の教えも小難しいものとなってしまいます。元来の中道は先ほどのように物事の丁度よいところを見極めるといった意味だったと思います。中道を説明して弓矢は張りすぎても張らなすぎてもうまくいかない。といった表現も仏典には見られます。そのように考えますと政治的な意味での中道は空思想に関連したような煩瑣なものではなく両極端にいかないような道を求める政治スタンスを意味しているといえます。-----------吉祥院副住職の小話|note地方寺院で僧侶をしています。 仏教は私にとって迷った時の拠りどころ、かつ生き方を示してくれるものです。 幸せに生きるために仏教が何を示してくれるかをお話します。note.com摩尼山吉祥院真言宗豊山派吉祥院。茨城県石岡市の寺院。www.youtube.com