ポイズンドーター・ホーリーマザー
正月早々、読む本じゃなかった。と、後悔することしきりの、カウンセラーの北野です。湊かなえさんの小説を最初に読んだのが「告白」。一体何がどうなるのか、全く予想がつかない展開に夢中になり、それからも何冊か読んできました。湊さんの小説は、一つの出来事が様々な人物の視点で見ると、全く別の様相を呈するという話が多く、まさに人間の苦しみは一元的にしか見られないことにあるのではないか、と私は思っています。この「ポイズンドーター・ホーリーマザー」もまさにそんな短編が集まっています。相手の事情や気持ちを、勝手に自分だけで作り上げてることで毒をはらみ、不幸に陥る人達ばかりが登場するので、もう悲しいやら怖いやら。いつもはそんな、プチぶっ飛んだ人がメインなのですが、この短編集の最後に登場する、題名にもなる2つの短編は少し様子が違っていました。お互いに関連する登場人物は全て毒があるわけではない普通にいる人たちで、その言い分には納得性があり、そして自分の状況を全て他人(親)のせいにしている人に対する批判めいたメッセージも多分に感じる珍しい作品だと思いました。お正月休みの帰省中に読むという偶然も、自分の親や育てられ方に思いを馳せるきっかけになり、ちょっと複雑な年明けなのでした。自分をもっと知りたい、理解したいという方は、こちらでお話ししてみませんか?カウンセリングルーム気分向上委員会