かものはし、食べられる | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

かものはしの口遊〜くちずさみ〜

島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

最近、わしを見るわさの目がおかしい。
昨日はわしが抱っこしておると、わしの腕をジーッと見つめておりました。
そして、おもむろに口を開けるわさ。



カプッ


 

…まさかの、愛娘に食べられるかものはし。
相方は言いました。
「ほら、メスにオスが食べられる生き物とかいるじゃない」
…その場合、たぶん”娘”ではないですよね。
その前に、人類ではないですよね?


 

そんな娘の愛情表現を受けるかものはし。
娘に腕にキスされた~…くらいの気持ちでおりました。
間違っても、お父さんを食べ物と認識してる訳ではないと信じて…。


 

そして今日も、ハイハイの練習をするわさ。
うつ伏せになって、手足をバタバタと動かしております。
しかし、やはり前に進めないわさ。
こういう時は、餌で釣るしかありません。
昨日、わさがわしの腕を食べたのを思い出して、目の前に手を出してみました。



「ほら~、わさ。食べてごらん」



ほんの冗談のつもりでした。
しかし、わさはジーーーーッとわしの手を見つめております。
そして、わさは動いた。
本当に動いた。
ほふく前進のように動いた。
相方が押しておるのかと思った。
しかし、首を振る相方。
マジか?
マジで自力で進んでおるのか?
しかし少しずつ、本当に少しずつ、手を目指してわさが近付いてきます。
まるで、貞子のように。
何となく、命の危機を感じ始めたかものはし。
しかし必死に進むわさ。手を引っ込める訳にもいきません。
少しずつ、少しずつ近づいて…



カプッ



…おめでとう、わさ。
念願のわしの手をチュパチュパと吸っております。
お父さん、喜んでいいのか悲しんでいいのか分からんよ。
とりあえず、わさに歯が無くて良かった。あったら食われておった。
よだれまみれになったわしの指。
涙が出たのは笑いすぎたから?それとも泣けてきたから?
どこをどう、育て方を間違えたかのぉ。
どうやらお母さんは「おっぱいをくれる人」、お父さんは「非常食」と思われておるようである。
何となく、わさを抱っこするのが怖くなったのは何故かのぉ…
 
がお~