放浪のスナフキン 後編【黒川温泉~久留米】 | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

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島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

黒川温泉に魅せられて急遽宿泊を決めたかものはし。
この温泉街を浴衣に下駄で歩き回ってる観光客を見たら、いてもたってもいられなくなって、宿でさっそく浴衣に着替え。
しかしさすが黒川温泉街、どこも一万円は越えておる。2000円で泊まれた大阪の宿は一体なんだったんだ?
黒川温泉2
黒川温泉街の小道

3つまで温泉宿の温泉に入りたい放題、という木製の入浴手形を購入。
どれ、さっそくどこへ行こうかと研究。宿を探す間にここがいいのぉ…と目星を付けた宿が2つ、そして宿泊先の人に聞いたお勧めが2つ。しかもそのうち1つは一致したんで、それじゃこの3件を回ろうとさっそく移動開始!!

まず最初に訪れたのが、「黒川荘
雪駄を履いて歩く温泉街。いいのぉ、これはいいのぉ。
車もなかなか通れないような狭い道を歩いて、ようやく到着。
ここはお宿の人のお勧めだったんで期待出来るかのぉと行ってみると、ひなびた温泉にしなびたジーさんが入っておった。
体を洗ってる間に出ていったので、のんびりと露天風呂へ。
うおぅ、ここはいいのぉ。広い。しかも白い。ちょっとした水泳とか出来そうである。
だが、ここはプライドを総動員してその欲求を抑えた。せっかくの温泉宿一人旅。ダンディに決めたいものである。

温泉を出て宿に戻ると、ちょうど夕食の時間になった。
温泉宿の食事かぁ。温泉卵とか出るんじゃろうのぉとか楽しみにしておったが、通されたのはちょっと料亭チックなお部屋。
…あれ?食堂じゃないの?てっきり食堂でみんながワイワイ食ってる真ん中でぽつんと食おうと思っておったのに、何だ?この座敷牢は
しかも食事を見てみると、本当に料亭チックな食事が並んでおるではないか。
何?この彩り鮮やかでボリュームのなさそうな食事は??こんなんで腹が膨れるかぁ!!!と思いながらも、馬刺しに感動。
やっぱ熊本といえば馬刺しよのぉ。何だ?こんな贅沢していいのか?温泉卵が出れば満足する人間に馬刺しを出すとはわしの格を見誤ったようじゃのぉ、ここのお宿。

少しだが焼肉もあったので、一人焼肉。
…う~む、何だ?この孤独感は。一人でジュージューと肉を焼いていると無性に虚無感に襲われるんだが。
誰が見てる訳でもないが、妙に人の目が気になってしまうようでは、まだ桑野さんや金田の域には達せないのぉ
まだわしには結婚の芽があるようである。

これで食い終わっただろう…と思ったが、後から後から食事が運ばれてくるではないか。
鮎の塩焼きやら松茸ご飯やら、ここ数年食ったことの無いメニューがどんどん出てくるんで、だんだん居場所を間違えた感に襲われてきたのだが、これもこのお宿の陰謀じゃろうか。
夜の温泉宿
夜の温泉街

夕飯が終わったら、更に温泉宿を徘徊。
続いては「新明館」。見てきた中で一番いい感じの佇まいだったお宿である。
どうやらここには「穴風呂」と「岩戸風呂」という謎のものがあるらしい。
まずは穴風呂へ。いきなり洞穴チックな入り口から、洞穴の途中に脱衣籠。どうやら脱衣所などという大層なものは無いらしい。
まぁ、誰もおらんようだし…と、脱いでいよいよ穴風呂へ…行こうと思った矢先に看板を発見。

「一人で入らないでください」

…一人しかおらんがな。どんな危険な風呂なんだ?何だかお化け屋敷の前フリみたいではないか。
とりあえず奥へ入ってみると…おおおっ、洞窟だ。狭い洞窟だ!
ちゃんと分かれ道もあるし、ライトアップがいい感じである。
ただ、一人で入っちゃいけないという警告、落とし穴くらいのトラップはあるかもしれんと思ったが何も無さそう。
ここはいいのぉ。どれ、誰もおらんし、ここは写メに撮ってみんなに見せてあげよう…と、まさにこの日の為に買ったかのような防水対応SO902iWP+をおもむろに持ち出すかものはし。
どれ、洞窟の様子を写真に…うおぅ、写らん。湯気しか写らん。しかもライトが暗すぎてよく分からん。
ううむ、さすがはソニー。この携帯は盗撮に使われるかもしれんという考慮からか、風呂では使えないように画素数が低く設定されておるようである
使えねぇ!!いよいよ使えねぇよこの携帯。ここで見せずにどこで魅せる。少しは新庄を見習って欲しい

続いては岩戸風呂へ。
どんな感じじゃろうかと思ったが、案外普通の露天風呂。強いて言えば、外から丸見えな気がするくらい
まぁもう日も落ちたし、誰もおらんから…とのんびり使ってたが、やはり山中に位置する黒川温泉。ちょっと冷えてきた上にお湯が温い。いかん、ここはちと寒いわ。
しかし、何でここは岩戸風呂って言うんじゃろう。その謎はついに分からないまま退出。

ここの女性用は「洞窟風呂」という名らしいが、それもきっとかなり変り種なのである。
ちなみに岩戸風呂も穴風呂も、男性用ではなく混浴用らしい。まぁ、実質男用であろうが。

続いて「やまの湯」へ移動。
宿の屋上にある露天風呂。ここの売りはどうやら打たせ湯らしいのぉ。お湯が竹筒からすごい勢いで落ちてきておるではないか。
ここで日ごろの疲れを取ろうと、さっそく打たせ湯の下に肩を置いてみると

…いててててててて!!!!
いやいやいや、ちょっと破壊力強すぎです。肩どころか首までかなりダメージを受けたんじゃが。
まだ完治してないというに、湯治に来ておいて更に悪化したら何のための温泉か分からんではないか
こりゃいかんと、あとは温泉を優雅に泳ぎ回った。ダンディさの欠片もない。たぶん、夕食の梅酒のせいであろう。
勉強中
証拠写真
決してSASUKEを観ながらではない…ですよ?

部屋に帰ると、あとはゆっくりと勉強。
そう、勉強をせねばならんのである。温泉宿でお勉強。ふむ、かなり優雅ではないか。素敵じゃのぉ。
ただ、あいにく今日はテレビがそんな簡単に勉強などさせてくれんかった。「相棒」に「パリーグ・プレーオフ」「サッカー日本vsインド」「SASUKE」
…ううむ、目白押しではないか。とりあえずサッカーは見るとして、相棒はまた再放送を待つとして、プレーオフを見ながらSASUKEを見る事にしたんだが…SASUKEは途中から見たらもうやめられんのぉ。
新聞を見たら今日は完全制覇者が出るらしいではないか。それは見ねばと見ておったが、柔道や相撲に続いて外国人ならやれんのぉとか思ったが、長野さんが頑張った。マジ感動した。プレーオフどころではないわ。
長野誠、完全制覇の瞬間に涙しながら、こりゃもうサッカーを見ても、これ以上の感動などありえないだろうと寝ることにした。



翌朝、6時過ぎに起きて黒川温泉郷を散策。
いやぁ、いいのぉ。夕方に見る温泉街もいいが、朝早くはまた違うのぉ。

黒川温泉
黒川温泉3
黒川温泉4
朝の黒川温泉の風景

豪華な朝食を食って、最後の温泉「御客屋旅館」の温泉へ。
ここは代官が入ったという代官風呂が代表的な露天風呂。ということでさっそく代官風呂に案内されるかものはし。
露天風呂の入り口に「代官風呂」と大きく書かれてて、そこを潜ると「男性・女性更衣室」なる文字の先に更衣室がふたつ。
特にどっちが男性とか女性とかは書いてないが、とりあえず広い方が男だろう、なんとなく…と、服を脱いで温泉へ。

おおっ、結構いい露天風呂ではないか。
硫黄の匂いが立ち込めて、すぐ横を流れる川のせせらぎも聞こえてきそうな朝早く、いいのぉ。
ただ、唯一の心配は、ここのお風呂は本当に男性用なんじゃろうか
更衣室、もしかしたら女性用を使ったんじゃなかろうか…と、心配になってとりあえず服を着直してもう一度入り口へ。

…ふむ、何もない。特にどこが男性用とか女性用とか無いようである。
するとつまり、ここは完全に混浴なのだろう。男性用とか女性用とか無しで。女性用の露天風呂もないようだし、もしかしたらここで待ってたら女性客も入ってくるかのぉ…

とか期待してたら、マジでもう一つの更衣室に女性らしき声が聞こえてきたではないか。しかも若そうではないか。
ふむ、ラッキーである。これでもう少し頑張っておったら混浴を楽しめるではないか♪
…ともおもったが、わしが入っておるのが分かったら彼女も入りにくいだろう…と、早々に退散。ふむ、かなりの根性なしである
でもまぁ、こんな邪念だらけで混浴の風呂に入ってたらわしの欠片のような理性など吹き飛びそうなので、まぁ仕方あるまい。
せっかくここにきたみんなに、温泉は楽しんでほしいしのぉ。
地蔵堂
温泉街にある地蔵堂
入浴手形に「恋愛成就」「交通安全」などのスタンプを押して奉納すれば絵馬代わりになるみたい


昼前まで温泉を楽しんで、いよいよ黒川を出発。
昨日、あわよくば向かおうと思ってた久留米方面へ車で移動。まずは日田へ向かい、そこから国道210号線を西へ。
福岡県に入ると、最初の町は「うきは市」
うきは市?なんじゃそりゃ。そんな町はねぇぞ。ここにあるのは浮羽郡である。何を血迷ったか。
しかも朝倉町まで朝倉市になっておるではないか。そんな簡単にどこもかしこも市にしてどうする!!
浮羽や朝倉が市なら、田主丸市や善導寺市が出来て、久留米はもう1ランク上の称号を手にしておるわ!!

とか考えてたら、ついに久留米に到着!!
大学時代、すごした町だが、思った以上の何も変わってないのぉ。
さっそく大学やら、昔住んでいた家だとかを待ったが、特に変わってなくて一安心。
でも実際にキャンバスを歩いてみると、とても7年間も経ったと思えないくらい思い出がしっかり焼きついておるようである。

大学時代、落ち込むとよく行っていた筑後川沿いにも行ってみた。
近くに大型ショッピングセンターとかが出来は余波であまり大きな改造は出来なそうだったG、あそれでもこの場所に数年ぶりに立てたのは非常によかった。
筑後川
筑後川が真正面に見えるこのポイントが好きだった


夕方まで、久留米をなんだかんだ放浪。そしていよいよ益田へ。
高速道路で山口まで移動。平坦だった九州自動車道とは違い、中国自動車道は山あり谷ありの超テクニカルコース。スピードに加え強靭なパワーまでも要求される中国自動車道は、高速道路版SASUKEを呼んでもいいのではなかろうか。

山口まで着くと、9号線で益田へ移動。ラジオでプレーオフの日ハムvsソフトバンクを聞きながら走っておったが、さっきまで福岡におったせいと、福岡のテレビで「これから大逆転だ!」みたいな応援を聞いてきたので、最後に打たれた時は泣きかけてもうた。
とりあえず日ハムはすごかったのぉ、去年のロッテみたいな勢いを感じるんだが、去年のロッテvsソフトバンクみたいな最終戦までもつれての死闘になった訳でもないし、今年は中日にも分があるかものぉ。

とりあえず無事、旅路から帰ってきて、即爆睡。
疲れたけど、でも久々に楽しかったのぉ。