VWの大失態~他山の石に | キビコジのブログ

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昭和史の話題の続きがありますが、先に最近話題のVWのことについて書いてみました。

VW(フォルクスワーゲン)がとんでもない大失態をしでかした。
燃費試験の時だけ排ガス量を減らすプログラムを使用していたというものである。
はがす試験の結果と実際の排ガス量のデータが異なるという。このエンジンを搭載した車両は全世界で110万台を数え、そのためVWは対策費用の引当金として65億ユーロ(約8700億円)を特別損失に計上する。
米国メディアは制裁金が最大180億ドル(約2兆1600億円)に登ると報道している。これはVWの14年12月期の純利益108億ユーロ(約1兆5千億円)をはるかに超える。
同社のヴィンタ―コーン社長は会見を開き辞意を表明した。ヴィンターコーン社長は2007年に就任後中国で大規模な生産工場の拡充などを図り、高級車や商用車のブランドを傘下に収めるなど拡大路線を走り、2014年には生産台数1000万台を達成、これはヴィンターコーン社長の就任時のほぼ2倍に達し、さらに今年前期にはトヨタの生産台数を抜いて世界一に躍り出た。その矢先の今回の不正の発覚である。

今回の排ガス不正は、ヴィンターコーン社長の急激な拡大路線と無関係とはいえず。今後VWはブランドの信用度の低下と莫大な制裁金などによる急激な業績悪化が予想される。これはドイツ経済全体へのマイナス影響も大きいと考えざるを得ない。

最近、日本でも東芝が過剰な業績追及が原因と考えられる粉飾で批判を浴び、大幅な業績低下に見舞われている。

いかなる企業も業績の向上は至上命令であり、そのために熾烈な競争と業績向上に向けての取り組みが絶えずなされ続けているが、時としてそれが過剰な要求として社内に求められる時に、犯してはならない不正や虚偽に基づく報告や実績追及が、結果としてその企業自体の存亡をさせ脅かしかねない不祥事を引き起こす可能性を秘めている。

先日「クレームは宝の山」という記事を書いたが、今回のVWはその逆の行為である。いかなる事業者も、その事業の求める社会的責任というものがあり、自己の企業の字面の実績だけを追求して、社会的責任や消費者の要求に応える取り組みを忘れれば、それまでどんなに優良企業と言われていた企業も一夜にして没落してしまうことはいくらでもあるのである。

VWが今回の事態をどのように受け止め企業文化自体を改めることができるのかどうか、注視していかなければならないだろう。

ところで日本UCもかつてしてはならない不正な方法で実績追及した過去を持つ。その問題が社会問題化した時にどういう対応をしたのか?
社会にその不正が明らかになり、その組織自体の資用が地に落ちてしまったときにどういう対応をしてきたのか?
その対応が謙虚な自己反省と社会へのまじめな対応として組織文化が改められ抜本的な改善がその時なされていたならば、その後再び飛躍的な発展を見ることもあり得たのだろうが、実際には地に落ちた信用を回復することもできず、発展とは無縁な年月を過ぎ去らせてしまってきた。

社会的信頼を失った日々は再び帰ってこないが、その組織の求める本来の目的や意義に目覚め、再び社会的な役割を果たすことに、ゼロからでも取り組むことが願われているのではないだろうか?
宗教や精神文化の果たす役割とは何なのか?単なる個人救済や個人の満足、癒しではないはずである。人類社会全体に健全な社会文化、精神文化をもたらすことが本来的な使命であろう。

様々な問題を放置し回避してきた結果が今日の実情である。問題に真摯に向き合う人がこれからの主役になっていくしかない時代が来ているということではないだろうか。

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