猫の口内炎治療について、熱く語ります!
長くなりますが、猫飼いさんたちはぜひ読んでください。
口内炎治療において、「ごまかしの治療は絶対ダメ」です!
皆さんの猫ちゃん、口の中は大丈夫ですか?
猫は「歯肉口内炎」という病気が非常に多いです。
この病気は、苦痛が半端ではないのです!!
口腔内全体が真っ赤にただれたり、
痛みで悲鳴を上げたり、
ごはんを食べられなかったり・・・
私は「猫ちゃんの難病」だと考えています。
<歯肉口内炎の症状>
口の中をみてください。
イラストのように真っ赤になっていませんか?
その他にも
口臭が強い、よだれが多い、
硬いフードを食べにくくなる
などが口内炎のサイン。
心配なことがあればすぐに病院へ!
<歯肉口内炎の治療>
歯肉口内炎の根治治療は「抜歯手術」です。
奥歯をすべて抜く、「全臼歯抜歯」という手術を行います。
歯肉口内炎の原因は、「自身の歯に対する過敏反応」とされています。
従って根治治療は抜歯手術になります。
歯石を取ったり、抗生物質の投与、痛み止めの投与などはほとんど効果がありません
「歯を抜くなんてかわいそう!!お薬でなんとかなりませんか?」
飼い主さんからよく聞かれます。
お気持ちはわかりますが、最も有効で確実性の高い治療は「全臼歯抜歯」です。
猫の歯を抜く手術は難しいので、お薬による「ごまかしの治療」をされている例を多く見ます。
しかし完治は絶対にしません。
ごまかしの治療があまりに長いと、その後で抜歯手術をしても効果が出にくいです。
歯を抜いても、ごはんは普通に食べられます。口内炎の痛みに比べたら余程快適な生活ができます。
従って、「ごまかしの治療はせず、抜歯手術を受ける」ことをお勧めします。
<全臼歯抜歯手術の実際>
猫の抜歯手術は難しく、経験や専用器材が重要です。
なぜなら、「絶対に歯根を残してはいけない」からです!
歯根を残すと、口内炎の治りが非常に悪くなります。
しかし猫の歯根は、とても小さいです。
イメージでいうと「米粒」くらいの大きさで、とても繊細な手術です。
抜歯をするときは、歯根を残さないよう、歯槽骨(歯根を包む骨)を一部削ります。
化石を発掘するようなイメージです。
最近ではサージェリーチップという、
歯槽骨を削る機器が開発され、治療がかなり楽になりました
イラストではこのような感じ
実際の手術風景はこのような感じです
手術実施後、早ければ一か月、遅ければ半年程度で効果がでます。
炎症が引いて、問題なくご飯が食べられるようになります!
<まとめ>
猫の口内炎治療は早期の発見と、適切な治療(抜歯手術)が重要です。
心配があれば口内炎治療を得意とされる先生へ受診してくださいね