外資企業で働いていた頃、
秘書のデスク周りやキャビネットの上、壁には各国の取引先や同僚から船便で届いたたくさんのクリスマスカードが飾られていました。その頃、欧米の上司や同僚たちはクリスマス休暇中です。
仕事は休みです。メールを出しても、返事をする秘書が休みなので返信は期待できません。
昨今の外資企業のオフィスはどうなっているのか想像もつきません。
おそらく、ワークフローソフトが導入されていて、決裁が必要な案件がデスクに積まれた書類にまぎれるということも、秘書が休みだからというエクスキューズもなさそうです。そもそも秘書がいないとメールの受発信もできない幹部従業員は生き残っていないと思います。
ただし、有能で高給な勤め人でも家族サービスを怠るとどうなるかは昔と変わっていないような気がします。離婚は勤め人の経歴に傷がついた年功序列の時代と同様、仕事優先では家庭が乱れます。家族が仕事に優先する欧米社会で、外資の同僚にとっては複数回の離婚歴はレアケースではありませんでした、そういう一人に聞きました。
問:そんなに家族サービスをしているのになぜ離婚となるの?
答:できるかぎり家族サービスをやってはじめて家族が維持できるのだ。
クリスマスにお約束のプログラムをこなすことに些細な疑問をもってはいけないのであります。