日本の私企業の各職場にワープロが導入された初期の頃の話し。
高額なワープロが職場ごとに1台配備されました。
本社でパソコンオタク(当時はそういう時代です)が特別任務を与えられ、各職場に配布されたワープロの使用説明をしていました。
本社のある課の従業員が出張報告書を導入まもないワープロで作成して人事に提出しました。即日、手書きの報告書の再提出を求められました。
再提出の理由は、報告書をワープロで作成すると全ての職場で報告書をワープロで作成することになるというものでした。当時はワープロは重要文書の清書に使う程度に用途が限られていました。全員がワープロを使えるわけではないとうのが前提条件でした。
残念な職場長の誠に残念な判断でした。当時この会社はカリスマオーナーの最盛期で一枚のワープロで作成された報告書をご覧になれば、即日全事業所の報告書がワープロ化されたはずです。即日ほとんどの従業員がワープロの学習を始めたはずです。そして、オーナーは首相が出席する宴席で自社のペーパーレス化の取り組みを話題にできたのであります。
情報化はトップダウンで展開されるのが効率的で効果があります、でも経営幹部が情報化の芽を摘んでしまうと、トップの判断が遅れてしまいます。この会社はオーナーに指示されるまで今まで通り先例重視で組織の安定を従業員がはかっていました。
こういう会社に小池百合子先生の掲げる希望は期待できません。
本件手書きの報告書の最提出から30年後にこの会社は退場となりました。
問:ワープロ使ったことある?
答:ある
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