与党が分裂すれば世の中は少し変わるかもしれません | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

我が家では、よく祖父が父に「家は3代目が危ない」といっていたそうです。大正の関東大震災を経験した祖父、昭和の米中との戦争で敗戦を経験した父、平成の2度のバブル崩壊と100年に一度、1000年に一度の未曾有の経済危機を体験した孫。生糸を扱う商家がつぶれて、横浜に流れて行った時の3代目は祖父でした。横浜での3代目は、核家族化で実家を売却して金に替えました。

日本史には、徳川家康の孫である3代目家光が将軍職を継いで苦労した秘話があります。家光は、実戦経験無しにもかかわらず直系長子ということで家康が後継者に決めたということです。

民法上の法定相続人の中で文武に最も優れた子を後継者に指名することにすると、子どもたちの間で後継者指名競争が起きます。家康はこれを嫌い、家光より優位性のあった次男を退け長男を3代目に指名したといわれています。これが、徳川将軍家の200年以上におよぶ安定した政権の基礎となりました。

東アジアの半島の小国などを除き、現代国家は、選挙によって指導者を決めているので直系長子が後継者になることはレアケースとなっています。わが国では、サントリーなど非上場の一部の同族会社は創業者一族のなかで後継者を決めていますが、公開企業は創業家からの社長招聘は株主に説明責任が果たせないとかいって、見送るケースがあります。

良いとか悪いとかではなく、支配力が脆弱になり持ちこたえることができなくなった時に、時代が変わります。天下大乱新佛出現です。自然に変わるのではなく、民意が形になるということのような気がします。

消費税増税をめぐり、与党が分裂すれば世の中は少し変わるかもしれません。