ある同族会社の古き良き時代 | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

1)整理整頓
社員は終業時に机の上にある書類や私物をかたづけ、ひきだしに入りきらない分は机の下の段ボール箱や椅子の上に移します。退社(帰宅)した社員の机の上から書類が消えて、だれが残業しているかも分かります。出張時や外出先から直帰する際は、あらかじめ、机上から物を一掃しておきます。共有または会社の書類は鍵のかかるキャビネットに戻します。キャビネットは定時にオートロック。

2)あいさつ
職場長以外の社員は、全員、出退勤時に部門全員にあいさつまわりをします。まず職場長にあいさつし、その後全員の席に行き個別にあいさつをかわします。もちろん席にいなければあいさつは免除なので、あいさつが不得意な社員は、早朝出勤、残業居残りを選ぶことができます。早朝出勤すると、後から出勤してくる社員や上司、職場長に対して、着席のまま会釈で済みます。(すでにデスクワークを開始していることをアピールしていれば起立も免れます)

3)優先事項
接客より社内業務が優先されます。全員集合のお呼びがかかると、社員は進行中のすべての業務を中断して待機または指示された場所に駆け足で向かいます。エレベータは社長と来賓専用なので階段を駆け上がります。業者(後に協力会社と呼称変更)は、その間待機します。打ち合わせ中の業者は、退席すると以後出入り禁止の恐れがありますので、指示がない限り、待てといわれたらじっと待ち続けます。

4)禁煙
社内は禁煙です。社長指示事項で喫煙する新卒者は採用対象から除外されました。もちろん例外はあります。接客スペース(個室)でお客さまが喫煙する際、お付き合いすることは可能です。会社の敷地内での社員の喫煙は禁じられていますので、敷地外で社員は喫煙します。喫煙するということは敷地の外に出ての業務放棄となりますが、それは情実の範囲内です。

5)時間厳守
会社は時間厳守を要求します。重要会議には15分前から待機します。(15分前からは新たな作業を開始しません)。会議室には5分前に着席して威儀を正して待ちます。重要な会議では、上席には必ず空席がひとつあります。創業者の席です。創業者ならどう判断するかを常に意識して会議が進行します。

その後、この会社がどうなったかということは、それはまた別の話です。