デッドボールを怖がらない人 | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

現役後半のプロ野球選手の清原は、デッドボールを怖がりませんでした。危険なボールをよけようとせず、ボールを体で受けます。そして痛みがないかのように投手に向かっていきました。

映画「暗殺者」でシルベスター・スタローンが演じるヒーローは、フェンスの向こう側で物陰から突然飛び出して吠えかかる猟犬に、身動きせず、冷静に作業を続行します。普通なら本能的に驚いて避けようとするのを、プロとして危険かどうか瞬時に見極める能力を身につけているから、反射的な行動をとらないのだということでしょう。

会社で上司が部下を怒るとき、上司が突然机をたたいて声を荒げることがあります。油断している部下は驚いて身を縮めます。部下の怖がる反応を見て上司は自分の権威が認められたと思い納得します。太鼓持ちの子分たちは、この「お約束」を承知していますので、上司が気にいるような反応をしてあげます。

一方、机をたたいて大声を出す、部下が萎縮するという「お約束」に対して、こいつは下出に出ると付け上がる上司だと評価した部下は、「ランボー」のようにタフにならなければなりません。突然、机をたたき大声で威嚇されても反応してはいけません。あらかじめ準備ができていれば、(ジェットコースターで急降下する直前と同じように)不意に威嚇されても想定内ですから、動じません、清原選手のように向かってくるボールを体で受け止めます。痛いですが、痛いといいません。