老登山家へのアドバイスの名言 | Talk Like Climbing

Talk Like Climbing

山男洲鎌猛雄の山・クライミングとそれにまつわるエトセトラのブログです。

なお、いかなる団体、企業とも関係ない一個人のブログです。

69歳にしてアイガー東山稜を目指すことにした日本山岳会の重鎮、故佐藤久一郎氏と故小西政継氏との会話。


「政やん、今日のわしを見てアイガー登れるかな」

「そうですね、アルプスはスケールが大きいから、もっともっと体力をつけるトレーニングすれば行けますよ。もう一つ、アルプスは夏でも吹雪になりますから、ビバークになって数日間閉じ込められたら、ボクは平気だけど佐藤さんは凍死するかもしれませんね。万一の最悪の危険はそれだけでです

(『ボクのザイル仲間達』小西政継著・山と渓谷社より。太字引用者)


この前の遭難事故については、メディアで伝えられた限られた情報しか持ち得ない一凡人の私が、多くの人が目にするここで(これでも1日500件くらいアクセスがありますので)云々言うつもりはありません。匿名でねじれた正義感に基づき偉そうに語ったり、非人道的な中傷をするような輩になりたくありません。心よりご冥福をお祈りするばかりです。


ただ、この夏沢山の人が夏山を目指されると思いますが、ご自身の体力と装備だけはしっかり準備・把握して、決して無理のない行動を取ってもらいたいと思います。特にツェルト、エマージェンシーシート、防寒着(着替え、薄手のダウンジャケット、冬用下着はかなり有効です。ただ濡らさないように)、非常食、火気(メタやろうそくでもかなり違います)などは面倒くさがらず用意して欲しいものです。私ごときが言うのも僭越ですが、自分の身内でも低体温症で亡くなられた方がいますので、もうこういう悲劇を見たくないという点でも。


勿論、引率者にもそういうクライアントの状況を把握した上での行動が求められると思います。反省・自戒もこめて。