これも30数年前の話で、以前にも書いたが当時はHDDなど無く磁気テープ装置(MT)がデータを記録する媒体の主流だった。
媒体の大きさはテープ幅1/2inchでリール径は12inchi(ロングと呼び長さは2400Feet)と10inch(ハーフと呼び同じく1200Feet)
いまならOS(当時はOSと呼ぶような高級な機能ではなかったが)のバージョンアップもCDやネットからのダウンロードでインストールするが、当時の供給媒体はコンピュータメーカからハーフMTで供給された。
当然オリジナルのMTは手元に届いたときにコピーをとりオリジナルはなにかあったときの復旧用として保管する。
ある日バージョンアップ版のMTが届いたので早速コピーをとる作業に入った、オリジナルのリードオンリーリング(レールの後ろにはめ込まれたビニール上のリング、はずすと書き込み禁止となる)をはずしコピー用MTにはリングをかけてそれぞれMT装置に装填、コンソール(タイプライタ!)からcopyコマンドを入力する。
ここで当時のMT装置の構造についてのレクチャー。
MT装置は送出し側のリールと巻き取り側のリールがあり、放送局用や家庭用のテープデッキと違い高速回転させるのでテンションプーリではなくバキュームコラムで負圧によりテープを引っ張りテンションをかけるメカニズムで動いていた。
送り出し側・巻取り側それぞれのバキュームコラムにはテープ面のクリーニングの為細かい鏡面仕上げのメッシュになっておりそこでチリや埃を吸引している。
いよいよMTが回りだした・・・がっ
巻き取り側のリールが回っていない?
ん?と思ってMT装置の前に言ってみてみると送り出されるテープが蕎麦やうどんやスパゲティのような麺になっている。びっくりして緊急停止をしてよーくみると、テープのクリーニング面に微小な突起(ささくれのような)が出ていてそれがテープをばばばらにしたようだ。
当然であるが「マーフィーの法則」が成り立つように、
トラブルが起きたのはコピーされる側のMTではなく
コピーする側のオリジナルMTだったことは言うまでもない・・・・
(オリジナルは再度メーカから供給してもらい再作業となった)